「ちづる」

今日までの上映ということだったが、好評で延長上映という声も聞いた。かといって延長したから見れるという確信もないので本日行った。観客は20人くらいいたんだろうか。充分に盛況と感じる数、いつもに比べたら。予告を見て面白そうと思ったのだが、なんか予想通りというか、とてもナチュラルで好感の持てるドキュメンタリーだった。ちなみに、私の母の名前もちづる。それで親近感を覚えたのもある。自閉症って何かというのは講義を受けたことがある。結局よく分かっていないということだったと思う。すごく印象的だったのは、アメリカの自閉症児が攻撃的なのに対し、日本の子達はおとなしいということ。となると文化的要因も影響するってことなのだろうか。

で、このちづるさんは自閉症で、彼女の兄が卒業制作で作った映画。ちづるさんは美人でかわいいし、お母さんは美人だし、亡くなったお父さんもどっちかっていうとイケメンだし、被写体としてそれぞれが美しい。そして言葉のひとつひとつが自分の言葉。こういう普通の家庭を記録して公開するのは貴重だと思う。母が、息子である制作者と話す場面など、自分が息子に言うことと全く同じで、息子の反応がまた同じで、そっか、どこもこうか、と思えて心強くなり、また虚しくもあり。自閉症だって分かった時の気持ちを聞かれて答える母親の素直な言葉も力強いものだった。もともとああだったのか、自閉症の子を育ててきたゆえに出る言葉なのか。家族内での人間関係の距離感に違和感がなかった。自分が自閉症の子を持ったらああいう母親になるかもね、みたいな。想定の範囲内というか。いや、実際にどうかは分からないけど、そう感じさせるものだった。みんなすごく普通でいられるのは、やはり家族が撮っているからなんだろうし、テーマ設定をして編集している風でないのも、ありそうでないというか、できそうでできないんだろうな。仕事としてやるんじゃないという機会はめったにないんだから、それを見ておくという機会もレアなんだ。良かった。
Commented by jun at 2012-06-16 17:32 x
20人でも盛況とは良く分かります。私は先日「エル・ブリの秘密 世界一予約がとれないレストラン」を見にいったらやはり20人位でした。それも一日一回上映に減ってでしたが。スペインのカタルーニャ地方にある半年しか営業しないレストランだとか。ドキュメンタリーでしたが、あれだけの努力をオフの半年にしたら誰でも成功しそうと思えた映画でした。
「ちづる」はDVDが出たら見ます。
Commented by tate at 2012-06-16 21:35 x
ちづるの上映を企画した1人です。ありがとう。
私も息子と母の会話が面白かったのですが、監督自身は「不自然でしょう、あのシーン」と言っていました。本当はもっとすごいバトルになるのだけれど、カメラの枠に収まっていないと困るからカメラを意識しつつのバトルだったとか。「みなさんも喧嘩するときにカメラ回すと面白いですよ。冷静になれる」と笑っていました。母の涙のシーンは初めはカットされていたそうですが、後で入れたそうです。お母さんとしてはきつかったみたいです。
自閉症の子どもがいても母達に共通のものはそんなにないですよ。
ほーんとそれぞれ。当事者たちもかなりそれぞれです。

私は、監督の指導教官の池谷さんのドキュメンタリーが観たくなりました。リクエスト出してきました。
Commented by kienlen at 2012-06-17 10:40
junさん、エル・ブリの秘密も予告で興味もったもののひとつです。20人もいたんだ。
tateさん、企画してくれてありがとう。後から振り返っても、ああいうのって貴重だなと思います。あれを撮って監督はきっと成長したんでしょうね。私は母の涙のシーンは入れて良かったと思う。あの涙はひじょうに分かる。ちづるさんの感想はどうなんだろうか。
Commented by tate at 2012-06-18 22:42 x
パンフか本か忘れたけど、お母さんは「ちづるの女優になりたい夢と、息子の監督になりたい夢がこの映画でかなって良かった」と書いていました。ちづるちゃんは主演女優としてこの映画が気にいっているみたいです。なんだか「つづく」みたいな終わり方がよかったなーと思います。障害者の奇跡!みたいのがひとつもなくてリアルでした。
Commented by kienlen at 2012-06-19 06:49
ちづるさん女優が夢か、どうりでうまいと思った。続編があってもいいんじゃないでしょうかね。見たいなと思います。教えてくれてありがとう。
by kienlen | 2012-06-15 23:01 | 映画類 | Comments(5)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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