『「言語技術」が日本のサッカーを変える』

日本サッカー協会副会長兼専務理事の田嶋幸三著。きっと有名な方なんだろうと想像するが、私はサッカーのことを何も知らないのでこの方も知らない。ただ、ここのところ、スポーツと言語について知りたいなと思っていたら、たまたま図書館で目に入り、中身も見ずに借りてきた。苦労しなくて読めそうな光文社新書だったし。で、結果的にはとっても興味深い内容だった。扱っているのは、言うまでもなくサッカー。そして日本のサッカーを強くするためには、というのがテーマで、そのためにこれが必要である、という内容。これが、の部分に言語技術が関わってくる。で、それを著者が確信したのが、ドイツ留学の時。で、サッカーという競技が創造力を要するものであり、それぞれの国の文化、スタイルがあり、日本だってもうここまでの歴史を刻んだんだから、諸外国の技術を真似するばかりではなくて、日本独自のサッカースタイルを目指すべきだろうということで、具体的に提言している。で、そのために子ども達を育てなくてはいけない、ということで寮を作った。で、ここでなされている教育が言語技術というわけだった。

これはもうひじょうにごもっともで、学校でもやって欲しいよと思うようなもの。私は子ども達がたまに見せる国語のテストとか、もう見るだけでうんざりで見たくない。こんなのできなくたっていいよ、と言ってしまう自分が怖いから見ない。こんな情緒的なことをやる前に、論理的な内容のレポートを要約するとか、きちんとコミュニケーションするためには何が必要かとか、多様な視点とか、そういうのやって欲しい、と思えてならないので、でも、そしたら日本人じゃなくなるのかなあ、まさか、教育の世界についてもちっとも分からない。という自分がコミュニケーション能力ないと言われるんでしょうがないか・・・。でも、そういう疑問を持っている者には、すっきりできる言語技術の方法が示されている。この技術は著者オリジナルではなくて、専門家を招いて行う。具体的なレッスンも紹介されているけど、ここは自分にとってあんまり関係ないので飛ばした。つまりはロジカルコミュニケーションと、創造性。他のスポーツはどうなのかな。この本が出たのは2007年。こういう実践の成果が出ているのかどうかさえ知らないので何とも言えないけど、強くするにはこれという理由にはうなずける本だったし、他のスポーツ、そしてスポーツだけじゃなく有効と思う。
by kienlen | 2012-06-10 09:40 | 読み物類 | Comments(0)

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