「ルルドの泉で」

スティーブ・ジョブズの伝記のⅡはⅠよりも断然面白く、昨日の仕事が4時という半端な時間に終わった時、どっか喫茶店で読み終えるか、突然だが映画にするか迷った。で、「ルルドの泉で」の上映時間が好都合だと分かり映画館へ。見て良かった。本はいつでも読めるけど映画はその時だけなんで。半分は時間つぶしで見たものだけど、そんな気持ちで入ったのが申し訳なくなった。素晴らしい。とても美しく静謐でナチュラルで、生きるってこういうことだよな、という素直な感情がふつふつと沸いてきた。気が短いわけでもないけど、私はエンドロールの最後までいることはまず全然ない。それまでに堪能した感があると、余韻まで吸収されてしまうような満足感があって立ちたくなってしまうわけで、でもこの映画はコンパクトで余韻が深く映画館が明るくなるまでいてしまった。観客は自分含めて4人だった。入る時は知らないスタッフばかりだったけど、出る時は知り合いだった。こういう映画を上映してくれてありがたいと言うと「この夏はヨーロッパのは結構やる」ということ。ありがたい。せいぜい行かないと。なくならないように。この映画の上映前の予告編は、珍しく全部見たいなと感じるものだった。ヨーロッパのと韓国の。楽しみ。

始まりのシーンから、これは好みだなと感じた。スタイリッシュだけど思わせぶりじゃないのがいい。さりげなくわざとらしいというのが最も苦手。あれとかあれとか、まあ、勝手な好みの問題だけど。言葉は少なめ。黙っているシーンが多い。それでもこの説得力。すごいなあ、演技って。子どもっぽいところがなく大人の映画という感じだった。で、それにしてもこの古さというか、携帯電話やパソコンが1度も出てこないというのは一体何なんだ、もしやすごく古い映画なのかと思って、ぐぐってみたら2011年のだというから、ごく新しいわけだ。ちょうどジョブズの伝記を読んでいる最中だから「この孤独はパソコンで改善可能なのでは?」みたいに考えたりしながら、そういう次元の話しじゃないから機器はあえて登場させないのか、と思ったり、この的の絞り方が見事というか、入ってくれさえすればあとは自信あります、みたいにあえて入り口を狭くしているようなイメージ。奇をてらったところ皆無で、でも観光と巡礼とか聖職者と俗人とか生と死とか健常者と障がい者とか、そういう境って何よというのをある枠の中で深く深く見せてくれる。素晴らしかった。思い出すだけで泣ける。こういうの大好き。
Commented by tate at 2012-06-03 19:19 x
お久しぶりです。
ルルド、見てみようかな。
私、ずっと「ちづる」という映画の準備をしていて、
やっと昨日初日を迎えてほっとしています。
Kさん、ご都合よければ見てね。
障害者ものにありがちなお涙もんの部分は全くないです。
ほとんど我が家の毎日、とは友達の感想。
Commented by kienlen at 2012-06-03 20:46
お久しぶりです。「ちづる」は見ますよ。予告見て良さそうと思って見たいリストに入れてあるから。ルルド、私的には超お勧め。他の人がどう感じるか知りたい。
Commented by tate at 2012-06-04 17:58 x
ルルド観てきました。好みの映画でした。大げさな演技がなくて、静かで、でも、目や口元で感情が伝わるのがすごい。
キリスト教についての知識があるともっと細部が楽しめるのかも。

観客は2人。もったいないなー。
Commented by kienlen at 2012-06-04 23:06
好みで良かった。観客少ないの、もったいない。入ってくれないとこういう映画上映してくれなくなってしまうかもしれないしね。だからなるべく通ってます。今週はちづる見られない。なるべく長くやっていて下さい。
by kienlen | 2012-06-01 11:36 | 映画類 | Comments(4)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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