『大往生したけりゃ医療とかかわるな』

副題は「自然死のすすめ」。著者は医師の中村仁一さんという方。特に何ということもなく、これといって読みたいのが見つからなくて書店でなんとなく購入したもの。特に期待あったわけじゃないけど、それを言って欲しかったと思って溜飲が下がるくだりが多々で結構面白かった。ある層には人気のある方らしいことが分かるが、私はこの著者のを読んだのは初めてだったし単なる偶然だった。面白いのは、老人施設の医師をしていることで、その地位はひじょうに低いそうだ。地位が低いというのは、私としては、そこからの情報は信用できそうだという判断基準のひとつという感じはある。なぜならば制度の矛盾とかが見えやすい立場だと思うから。まあ、これはそういう視点ではなくて、つまりまず言われてみるともっともで、でも、なんだか不思議だなというくだりから始まる。つまり、病院では自然死がない、ということ。

で、現在の状況というのはかなりが病院で亡くなるので、医者も自然死を看る機会というのがないようだ。なるほど。自然が自然じゃなくなるってどこの分野でもありそうで、時代はどんどん奇妙な方向にいっているように感じられる。ところが、老人施設には自然死があるそうだ。で、この方はそれをたくさん見てきて気付いたそうだ。死ぬならガンに限る、ということに。ただし、治療をしないということ。そしてここで数百の症例から実証されたとしているのは高齢者に限っている。ここでは繁殖期を終えたという表現になっている。であれば、心当たり年齢はかなり下がると思うのだが、どのへんからなのかを知りたいところだ。で、著者も意外だったようだ、この年齢になってのガンは治療しないとちっとも苦しくないそうだ。ユーモアたっぷりでかなり笑えた面白い本だった。
by kienlen | 2012-03-01 18:08 | 読み物類 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


by kienlen
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31