『身近な雑草の愉快な生きかた』

読む本がなくなってくる。読んでない本はたくさんあるが、いったん挫折したのを再読してもまた挫折する可能性の方が高い。かといって本屋でぶらぶらするほどの余裕がない。仕事がないと本を読むが、本がないから仕事するというのもしっくりこないな。この本はこの間書店で偶然見つけて買ったもの。雑草生態学が専門という稲垣栄洋著。楽しそうな研究分野である。で、本は傑作だった。実に面白かったというか、ストレートに好みの本。なぜかというと、まず雑草好きにはたまらない雑草の生態がいろいろ書いてあって、それ自体がひじょうに興味深いこと。食べられる雑草の本は何冊か持っているけど、それって人間の視点からであり、もっと幅広い雑草の本を読むチャンスが今までなかった。それから一般向けにうんと面白く書いていること。擬人化して雑草の視点になっているのだが、それが嫌味じゃないというか、とても上手というか、めちゃくちゃ面白い。手元に置いておいて時々愛でたいなという感じ。

そういう本にしているということで、帯に買いてあるのも「逆境を生き抜く知恵がここにある」というもの。私が購入を決めるのに時間はかからなかったのはプロローグを見て一発、参りましたって感じだった。要旨は、雑草のように強く生きろなど強さを感じる人の多い雑草だが意外なことに本来は決して強い植物ではなく、むしろ弱い植物と言えるのだが、弱いはずの彼らが力強く生きている秘密のキーワードが逆境である、ということ。素晴らしい参考書。雑草たちの環境というのは踏まれたり蹴られたり抜かれたり刈られたり、さまざまな困難が次々と降りかかる。しかも雑草は逃げ出すことができない。どんなに厳しい環境でもその場所で生涯を終えるしかない。よって、逃げることなく困難な逆境を受け入れる道を選んだ!誰が見ても読みたくならないだろうか。そうでもないか。私はこれで感動の連続で最後まで読んだ。すごく面白かった。
by kienlen | 2012-02-25 17:17 | 読み物類 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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