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親でもあり子でもあり

父が昼飯でも食おうということで来た。母の病院に寄る前にと。その時「整理していたら成人式の写真があったから」と写真館で撮ったアルバムを出した。振袖を着た自分がいる。で、私はこのことを全く覚えていない。元々忘れっぽいことは自覚しているけど、こういう記念日を覚えていないというのは何だか不思議な気がする。でも、心当たりがないわけではない。これは母の希望だったからで、自分が振袖着て成人式に出席して記念写真を撮りたいと思ったわけではないからだと思う。念願かなったことならいくら自分でも覚えていると思うのだ。でも、一方で思うことは、振袖もいらない、記念写真もいらない、と自分で決められたかというと、それは分からない。意識しなくていいほどに恵まれていたのかもしれない。そういう言い方をすれば。

ただ私自身はそういう育ち方をしたことに感謝の念を持てず、これは親にしたら不幸というかかわいそうなことだと思うが仕方ないとして、よって、子どもには努めて意識させることを意識してきたと思う。つまりこれは、この道を選んだってことですよ、ということを。で、そう思ってみても、これを自分の親世代ができるわけないのだ。一部例外的な人は別にして、あんな田舎では生まれが人生を決めたわけだ。とにかく食べるだけなわけだ。よって、子育てだって、親がたまたま信じたことを押し付けるという意識もないままにやってきただけだろう。罪はない。罪はないけど、やっぱり不思議ではある。しかし、母の今の姿を見ていると、それ以上のことをできる人ではないし、それだけのことなのだ。すると、親を意識してきた年数のあまりの長さに悲しい気持ち。そういうものなのだ。まあ、諸々が本格化するのはこれからなのだ。
by kienlen | 2012-02-19 18:43 | 家族と子供の話題 | Comments(0)

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