池井戸潤『架空通貨』

池井戸潤の何冊目か。娘が「図書館の返却本コーナーに『下町ロケット』があったよ」と簡単に言うから「借りて、借りて」とせっついておいた。それで「今、1冊読んでいるのがあるから、それと下町ロケットを読んだら池井戸潤は終わりにする」と、娘に宣言する必要何もないのに宣言したのは、自分に言い聞かせただけ。それでも娘は、勝手にしろとも言わずに「うん」と聞いてくれるんだから、なんてありがたいのだろうか。この間、母娘でずっとやってきた人が「娘に子どもが生まれて初めて娘が自分から離れた気がした」と感動した風に言っていたが、そういう感じって、自分ももしかして娘だけで、さらに父親が一緒にいなかったら、分かるなという想像はできなくもない。上に息子がいると、一体感のようなものがないし、別物という感じが小さい時からあるので、それに比較して娘との親密感に感動するわけだ。で、その知人に「もしかしてご自身も女だけ?」と聞くと、そうだった。なるほど、異性のきょうだいの有無というのは何か人生に決定的な影響を及ぼすように感じられてならない。

なんてことは本とは何の関係もない。解説によると、この作家の2作目らしい。これを買った理由はタイトルが面白そうだったから。お金とは何かというのは異性のきょうだい云々よりも大きなテーマのように思えるが、これはかなりストレートにそこに切り込んだもの。面白いのだが、金融についての知識がないと面倒になって細かなところを読み飛ばしてしまった面もある。いかにもという感じで人物が戯画化されストーリーも大げさなのが、若い時だったら楽しめたかも、という感じになる、自分の場合。人間の物語というよりはお金とは何かの方にいっているような印象。それはそれで面白いけど、しみじみ感とかハラハラ感はなかった。あと、最近、今頃になって、ゲームを楽しめるタイプとそうじゃないタイプがいるんだなってことをよく感じるようになり、そういう視点からみると、この世代の新しさを感じる。ちょうど狭間の感じ。その下になるとまた時代がかなり異なってくるから、自分としてピンとくるものが少ないようなイメージがある。そこまで若い人の小説をほとんど読んでないけど。さて、下町ロケットはいつかなあ。仕事しないとなあ。
by kienlen | 2012-01-22 16:53 | 読み物類 | Comments(0)

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