『限界集落株式会社』

最近面白かった本はこれ。知り会いの建築会社社長と話している時に、この本を読んだというから「読みたいからちょうだい」と言ったらすぐに届けてくれた。ありがとうございます。そしてすぐに読んだ。なかなか面白かった。この近所にも限界集落を逆手に取ったブランドで漬物や味噌を販売している会社があり、特に味噌が美味しくて愛用している。この手の手作り味噌よりも高めではあるが、高いといってもたかが味噌だし、この旨さには変えられない。美味しい味噌を使ってダシを入れない味噌汁が好きなのだが、この味噌だとそれができる。ただこの小説は味噌程度のスケールではない。限界集落丸ごと自立して地域活性化するというお話。

小役人の甘言や脅しにのらず、半端な補助金よりも自立で徹底し、ITを駆使し、投資家を呼び込むことで農村と都市をつなぎという、現代的にリアルなドライさの中に、人情の味付けも相当に濃厚で、あっちこっちに配慮しながら物語が進むので、年代を問わずに楽しめるなと思った。宣伝文句を見ると、負け組の逆転ホームランみたいな方向性が強め。農業研修に来るのがそういう人達で、それをうまく使って懐の深い人事配置をしていくのは都市で成功して金と人脈を活かして起業を考えている元銀行マン。素晴らしい采配ぶりに胸がすっとする。このくらいの組織運営してみてよ、と言いたくなる。なるほど、会社をやっている人がコンサルタントに勧められて読んだというのはこの当たりが肝なのだろうか。楽しくて元気がでる小説だった。
by kienlen | 2012-01-08 17:48 | 読み物類 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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