ミケランジェロの暗号

三者面談で午後は授業のない娘と映画館で待ち合わせて一緒に見た。観客数7,8人はいたか。これも大変面白かった。満足。ナチスが周辺諸国に侵攻していく時代のヨーロッパは映画のテーマとして頻繁に取り上げられると思うけど、今日のはかなりユーモラスな味付けが濃く、ずっとハラハラしっぱなして実に楽しかった。最後も爽快で後味も良し。テーマが深刻なだけに残酷な場面ばかりだと見るのに勇気がいるが、こういう描き方だと人にも勧めたくなるし、それでいて細工というか、心理描写も駆け引きも深いところをえぐっている感じ。ギリギリのところにあって自分が生きるためになりふり構わずでもないし、かといって人のために犠牲になるというのでもないという微妙なあたりの描き方というのは、自分には実にリアルに感じられた。

確かにテイストとしてはゴーストライターが好きな人なら好きになりそうというのは分かる感じ。教えてくれた映画館のスタッフにお礼を言っておいた。良いのを紹介してくれてありがとうと。組織の形式主義とか、人道主義者やメディアの使い方とか、瞬間瞬間常に自分の位置取りをどうするかとか、家族愛とか、それにナチスが人間心理のどういうところを突いて、どういう層を取り込んだかというあたりも面白くうまく感じさせていた。ハラハラさせて娘などは怖がっていたが、立場を逆転させることで相手の気持ちを理解しようというような、ありがちなロールプレイみたいな、ディベートみたいな、あまりに出来すぎた展開がどこかで安心感となるし、結局茶番じゃないか、茶番のために大量の犠牲者がでる戦争というものの本質がひしひしと伝わる感じはあった。軽快な音楽も良かったなあ。大当たり。
by kienlen | 2011-12-19 17:56 | 映画類 | Comments(0)

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