『ラーメンと愛国』

なかなか面白い本に当たらないこともあって、まともに読み終えた本がない。これを書店で見て出だしを読んで、これならいけそうだなと思って買った。そうそうどっかの新聞でも紹介されていた記憶あり。決め手はこの一文。「ラーメンはいつからこんなに説教くさい食べ物になってしまったのか」。笑える。これだよ、と思って結構期待して読んだのだが、そして一応途中で投げ出しはしなかったのだが、かといって、爽快感よりはもやもや感の方が残る本だった。「ラーメンから現代史を読み解くスリリングな試み」というのが帯のコピーで、で、その通りの内容で、で、些細な何かを通じてデカイ何かを読み解くというスタイルも珍しくもないので定石に入るんだろうけど、こういう本って、結構難しいんじゃないかなと改めて思った。ラーメンについて詳しくない自分のような者にとって、いろいろな発見はあったという点では損はなかったと思うけど、もういっそのこと出典なんか明らかにせず、そこんとこいい加減でもいいから突っ込んで笑わせてくれ、みたいな欲求が随所にあった。

お宝だよって出されて近づいたら引っ込められたみたいな感じ。まあ、つまりいい加減な本ではなくてすごくまじめな内容だった。出だしの感じから、現場を歩いた上での内容かなと思ったのだが、ほとんどは文献によっているようで、印象としては卒業論文みたいな感じだった。私のような年齢と性格の者が想定読者でない感じではあった。かといって若者が読むかなと思うと、どうだろう、かなり疑問。じゃあ、誰って、ここで心配する必要あるわけないが、そういう意味で結構不思議だったな。まあ、何のかんの言っても結局分析対象に、掘り起こすだけの深みがなければ深い分析ができるわけなくて、ラーメンも今の愛国も、そういう風に思うとひじょうに納得だった。だったらもっと軽佻浮薄でいってしまえ、なんてのは無責任か。いずれにしろ、ラーメン屋に何か異変が起こって久しくなっているようだが、その正体は何だと思っている者には、単純になるほどと思う点は多々あった。そこまで入れたい気持ちを抑えて、もうちょっと焦点をラーメンオンリーにしてくれたらなと思った。それと小麦粉と。その点でちょっと残念。
by kienlen | 2011-12-13 08:45 | 読み物類 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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