『モンの悲劇-暴かれた「ケネディの戦争」の罪』

本が読めなかった。映画も観られなかった。もう少しの辛抱だ。って、辛抱していれば自動的にどうにかなるわけじゃないんで、自分でどうにかするしかないのだが。そういう中で長い時間かかって読んだのがこれ。読みたいなあと思っていたけど、ネット注文するには、中身が分からないし、安くない本だし、と、ためらっていたところ、この間出店した古本市で見つけたのだった。出していたのは、リベラルな文化人として知られた人。品数は多くなかったけど欲しい本がいっぱいあった中にこれも発見。200円で売ってもらった。本を減らすための古本市で増やしてきたんだからバカである。その人の本は線を引いてあったり新聞記事が貼ってあったり熱心な読書家であることがうかがわれたけど、この本は栞の紐ひとつ動かした形跡がなかった。それ、読んでみて、なんか納得した。もうちょっと読みやすく書いてくれればいいのに、というのが第一印象。毎日新聞社刊だから読みやすいと思ったのは誤解だった。記録として貴重なのは分かるけど、もうちょっとどうにかならないものだろうか。

ただ、地名も人名も難しいのがたくさん出てくるから、読みやすくするにも限界があるのかもしれない、でもそこをもうちょっと何とか。ああ、しつこいけど、正直、ひじょうに苦労して読んだ上に、話と話の関係も今ひとつよく分からなかった。それに、ちょっとどうなのかなってくらいな、私にも分かるくらいの誤字も気になった。内容はタイトル通り、モン族の話。ひじょうに興味深いものだった。というのは、インドシナ戦争というものが何だったのか知らずにラオスで「地雷が埋まっていて道路を作るのが難しい」と聞いたり、ビエンチャンの市場や商店がベトナム人だらけになっていくのを見たり、疑問に思っていたことが少し見えたというのがある。でもそれはこの本の趣旨じゃないので失礼でもあり、これは表に見える戦争の背景でモンという少数民族が動員された悲劇、そのひじょうに複雑な様相を追いかけたもの。分割して統治するという植民地政策をフランスからベトナムが受け継いでそのままやっているというようなところも、何とも言い難くうなだれる。インドシナ、実に複雑である。昔ラオスに行った時に知り合ったアメリカ人が「米兵との混血の子を探している」ということで、小さな商店の店先に居た白っぽい金髪の4歳くらいの女の子を「抱っこしてくれ」と頼まれて一緒に写真におさまったことがあった。その時、今よりさらに何も知らなかった。写真は後日送られてきた。返事を出していたら良かったな。そんなことを思い出した。
by kienlen | 2011-11-13 14:13 | 読み物類 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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