風の前奏曲

怠惰な日々だ。子供達がパンを食べて自分で出て行くのをいいことに、遅くまでベッドの中にいる。今までは、過程はどうでも結果という仕事を請け負っていたので、自分の中に、やる時はやるんだし…、という気持ちがあって、朝寝の内心の言い訳にもなっていたのだが、今は外仕事も内仕事もろくにしてないのにこれだ。タイ料理の店をやっている夫が洗濯機を回して、出掛けに「干すのはやってくれ」と言って出て行った。はい。気持ちを切り替えようと思ってバドミントンの練習に行き、夜はタイ映画『風の前奏曲』を観にいった。ナイトショーで1週間だけの上映で今夜が最終日。タイ映画はこの地方都市で上映されないし、ほとんど観たことがないし、予告を観た限りでも自分の好みそうでもなくて期待していなかったが、結構感動してしまった。なぜだろう。

タイが好きで行ったのでも暮らしたのでもなく、偶然の積み重ねだったのだし、まさかタイ人と家族をもつとは考えていなかった。だから特にタイに愛着があるわけではないが、とはいえ30代の大半を過ごしたのだから影響は大きい。それが今日の映画の感動にもそのまま反映しているようだ。お話は複雑ではなくて、木琴のようなタイ伝統楽器、ラナート奏者の子供時代から死までを描いている。このところ劇場で観た映画というと『シリアナ』『ミュンヘン』、少し前の『ロードオブウオー』といい、背景が単純でないものだっただけに、これはなごむ映画だった。近代化政策のために伝統文化を統制する話や戦争もあるが、そういうことよりも、見事な演奏が見物だった。出演者もいかにもタイ人という風貌。隅々までタイ理解のキーワードのひとつともいえる「ナームジャイ(寛容な心)」が感じられて素朴になつかしい。子供達を連れて行きたかったが、部活疲れで断られた。無理しても連れて行けばよかったとまで思ってしまった。明日から飲みすぎず寝すぎず、居住まいを正そうかと思う。
by kienlen | 2006-04-07 22:53 | タイの事と料理 | Comments(0)

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