『「通貨」を知れば世界が読める』

浜矩子著。これも大変に面白かった。サブタイトルは「1ドル50円時代は何をもたらすのか?」。こういう本、つまり経済とか貨幣の本って興味はあるので読もうとすることは割とあるが、なかなか読めないのも多い。一般向けなんだから、しかも新書なんだからもっと面白く書いてくれないかなあというのがあるのだが、かといってあまりに雑駁というか論理的に流れがつかめないのも読めないし、ということになると、このくらいがちょうどいい感じ。説明が丁寧で親切。なんてったって通貨の始まりから遡って書いてくれている。この間の酒井先生の中東の考え方にちょっと似たスタイルで、素人にはありがたい。で、金本位制度から基軸通貨に移行していくわけだが、著者が言っているのは、この基軸通貨という考えに固執しないのがよろしいということのようだ。ユーロについてもお金という一面から見ていくと、ほほう、って感じで、まあ何しろ知らないことばかりなんで、タイトルのように世界が読めた気分になってしまえるグローバルな内容。

で、1番の主張は1ドルは50円程度が妥当であり、日本は力のあるうちにそれに備えるべき、ということ。備えておくのと、それがなしにいきなりそういう事態になるのとでは大違い。最悪の場合は戦争も、というところまで言及している。この論自体の妥当性は分からない。それと日本ってこんなにまだ力があるんですか、という疑問のようなものも、知らないから拭えないが、でも言っていることはとっても分かりやすく、あったりまえで変な言い方だが筋も通っているし、円高が問題だ、困った、円高を何とかしないと日本は駄目になる、的なメッセージばかりを受け取っているところにあっては、そうだよな、だいたい起こっていることが悪いと言ったって始まらないどころか、対処が後手に回るだけなんだから、と不安になるわけで、それが今の日本にはびこっているように感じられて、でも、やっぱりこれって政治のマターだもんなあ、でも、自分なりの判断をする傍観者としての義務のようにも感じられて、でも選挙しかないんだけど、肝心なことを論点にしてくれないしなあ、例えしてもほとんど反古にされるしなあ、もうどうしたらいいんでしょう。昨日も友人と話していて「もっと明るい話題はないのか」なんてことになったのだが、この本は意外にそういう面もあるように思った。別に話題で終わらせるのがいいとも思ってないけど。はあ、朝から遠回し。
Commented by jun at 2011-09-14 12:42 x
浜さんといい、アンナ・アレントといい学生時代のゼミの頃を思い出しました。浜さんは当時はまだいませんでしたが。
円高の時にそれを楽しめないのが日本的な空気でしょうか。わたしもですが。バイトに来てもらっている近所の女性は20日間余り米国に行き今日帰国しお土産をもらいました。田舎のほうに滞在しアーミッシュの村にも行ったとか。見習いたいなあ。
私は週末は上田に一泊し真田祭りを見に行きます。
ところでバレエはどうでしたか。筋肉と柔軟の鍛え方はスゴイと思います。
Commented by kienlen at 2011-09-14 22:17
私も今、どこに行くか考慮中。タイ以外と思ってみても、ひとりで行くならタイが気楽だし…と逡巡しています。バレエは予想に反して素晴らしかったですよ。やはり体ひとつでやるものっていいですね。陸上とかバレエとか。で、バレエは芸術でもあるし、見る目がない自分が情けない。これからの課題。
by kienlen | 2011-09-12 08:28 | 読み物類 | Comments(2)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


by kienlen
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