場所と人がある意味

この間、デパートに行った。中心市街地の大型店は片っ端から撤退している中で生き残っているデパート。その日は書店に行くのが目的だったのだが、贔屓にしているブランドの洗剤を置いているテナントがそのデパートにしか入ってないことを思い出して寄ることにした。シルクやウールの手洗い用洗剤がなくなっていたのだ。ついでだし暇だしで他の売り場もぶらぶらしていた。靴のバーゲンがあったので買おうかなと思って見たがこれって思うのがない。バッグ売り場に差しかかる。バッグはつい買ってしまってたくさんある。でもつい欲しくなる物。毎日使うし使い勝手が気分にも大きく影響するし。見ていると店員さんが「これいいですよ、軽くて」とひとつを取り上げて見せた。「私、たくさん物を持ち歩くのでこういう柔らかいのって弱そうで不安なんですけど」と言うと「大丈夫。よく売れていますから」とおっしゃる。売れているのは重いものをたくさん入れても大丈夫な丈夫さがあるって意味だろうか。私にはこういう論はさっぱり理解できない。「自分で見てみますからいいです、ありがとう」と他を見ていても、まだそれを見せて「いいですよ」と勧めてくれる。

この間、客のニーズを見極めようという姿勢は皆無だ。バンコクに住んでいた頃、当方の需要も好みも尋ねることなくあれこれ持ってきては「これ、きれい」と見せてくれる店員さんが結構多くて不思議だったが、別にタイだからじゃなかったのか。今どきにしては珍しく何度も寄ってくるので「それ、私好きじゃないんです、色も形も」と言った。色も形も好みじゃなかったから。するとこちらをじっと見てから引き下がってしまった。何かいけないことを言ったかな、と感じさせる目だった。こういう客を常に相手にしていたら、根拠もなく一方的に勧めることの是非について考えるんじゃないだろうか。そして方針を変更するのがプロってものだろう。「よく売れている」を売り文句にする店員さんはとても多いようだ。自分では判断できない性能を有するもの、パソコンだとか電化製品だとかは、そういうのも参考になるかもしれないけど、たかがバッグである。見ればイメージできるし、使用目的ははっきりしているし、それが売れていようが売れ残り品であろうが関係ない。まあ考えられることは、熟年の主婦は軽いのが良くて流行のもので地味な色だと安心できるから勧めるってことだろうか。私が探しているのは仕事用に便利なもの。それ以上見る気は失せたので出た。デパートをぶらぶらなんていう自分には特別な時間を過ごしていたつもりだったのになんだか台無し。思うけど、店舗販売するなら売り方の問題は通販の普及している今、以前よりもずっと大きいと思う。
by kienlen | 2011-08-17 07:52 | その他雑感 | Comments(0)

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