すみません、挫折報告

「先に読んで」と言われて預かっていた本。こういう時に断れないのが基本的に本が好きな自分。好奇心先に立つ。人はどういう本を好むか、という。タイトルは『朽ちるインフラ』。「ね、面白そうでしょ」とその友人は言った。なんか同感しないといけない雰囲気を与える人なんで相づちを打っておいた、なんてことはなく、インフラと聞いて私が思いうかべるのは社会的な基盤も入ってしまうので、各種社会制度なのかと思った。それで面白そうだなとちょっとは思った。ただもうあまりに言われていることなので新鮮味は感じないけど。押しつけられた形で持ち帰ってあって、読みかけのが終わったので取りかかった。でも挫折したい。もちろん本がいけないんじゃなくて読者としてふさわしくないというだけのこと。いつもなら挫折したのをメモっておくようなことはしないのだが、なんで挫折するのかを考えてみるのもいいなと思うのと、その友人への報告を兼ねて。私の場合、本を開く前に装丁とか著者とかからどんな感じなのかを予想するのが趣味なので今回も趣味を優先した。立派なハードカバーで価格が2000円+税という、こちらも一般書としては立派。でも日本経済新聞社だから、なるほど…。著者を見る時は年代がまず気になる。同じような世代だと価値観がそう違わないんじゃないかと勝手に予想する。で、同世代。1か月で2刷りになっているということは一般書として売れているということみたいだな。

というわけで読み始めてみた。インフラというのはまさに物理的なインフラで、橋とか公共施設とか水道管とか。それが建築から50年ほどの今、耐用年数に達するなど崩壊の危機に瀕している。それを自治体も国もちゃんと分かってなくて大変危険であるし、突然気付いた時には膨大な金がかかるので今から対策を取るべきだという内容、だと思う。豊富な資料で実証的に書いていて、あと、日本よりも早くインフラを整備したアメリカで起きたことから日本で起きることが予想できるとして例を挙げていて、これもごもっともで、いい内容だとは思うけど、単純な話し、本を読むという面白さを感じないから挫折した。こういうのだったら、資料とか写真を示して文章は簡潔に必要なことだけでレポート的に伝えた方が説得力あるんじゃないかなあ。行政関係者への啓発なのかという気もするけど、だったらなおさらのことと思えなくもない。各種会議で主張しても相手の感度が鈍いということで告発型にするならもうちょっと迫力が具体的に欲しいなあ。ネットがある時代に活字で本を読む楽しみって、本ならではのサービス精神がないとなあと最近つくずく思う。もっとも読者として何に反応するかは人によって違うからいろいろあるんだろうけど、私は「これを読まないといけない」という匂いは苦手。「読ませてやる」の迫力がないとな。でもこの本って多分行政とか建築関係の企業とかコンサルとかそういう関係が対象かなって感じもするので、そんな迫力は不要なんだろうと思う。よって挫折しました、すみません。
Commented by tate at 2011-08-12 09:54 x
この前書評に載っていた「困っているひと」、面白かったです。
ビルマの難民問題を研究していた著者が、難病にかかってしまい「難病難民女子」となってしまって、現在進行中。若いお姉さんのちょっとリキの入った感じも、いろんなことをユーモアでくるむ知性もよかった。タイの地名も出てくるので、分かる人はそういう細部も面白いかも。
内容は怖い話ではあるんですが・・・。朽ちる医療・・・みたいな話。
Commented by kienlen at 2011-08-12 20:27
それはまだ読んでないけど存在は知ってます。頭に入れておきます。朽ちる医療は海堂尊を読んでいても怖いですよね。もう怖いことだらけ。ところでtateさん、あの養護学校にいた先生、県の中枢にヘッドハンティングされてましたね。
Commented by tate at 2011-08-15 10:31 x
K先生かな。ヘッドハンティングというより、自分で飛び込んだって感じ。いい意味でなかなかの戦略家でもあり、頼もしい先生です。教育界には、いそうでいないタイプ。中小企業の自分でなんでもやるアイデア社長みたいな人と私は思ってます。
Commented by kienlen at 2011-08-15 13:23
中小企業のアイデア社長というイメージ、なるほどね。私は会議で一緒になったことしかないので知らないけど、うん、何となく分かる。
by kienlen | 2011-08-11 08:49 | 読み物類 | Comments(4)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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