海堂尊『アリアドネの弾丸』

やっと読んだ海堂尊。娘が大好きで多分片っ端から読んでいる。これは前作を読んでなくても大丈夫とのことで買ってあったもの。読み始めたらやめられなくなる予感があったのでしばらく取っておいた。その間に娘はとっくに読み終えていたり、他の人に貸したり。大変に面白かった。満足、満足。こういうの大好き。嫌みたらしい表現、あんまりおしゃれでもないもってまわった比喩等々。重たい内容を軽く描く。ああ、面白かった。官僚の特徴、司法と医療の関係。なるほどな数々。ちょうどこの間読んだ霞ヶ関の話しと重なる部分があったし、でも小説だから人物のキャラクターが突出できるし、鳥獣戯画みたいというか。そういえばうさちゃんとか鳥さんとかだったな。もっと早くに読むべきだったのに今ごろになってしまった。いつも遅いのだ。映画も見れば良かったなあ、と今になって後悔。チームバチスタの栄光。

ミステリーは、私の場合、謎解きへの興味はそんなになくて、ただ人間の性みたいなものがミステリーだと分かりやすいのと、やはり先を読みたくなる期待感がいいので、登場人物があまり複雑なのは苦手。その点、これは適度だったし、組織内の人間関係のあり方とか会議の様子とか、権力とか体面とか、とにかく自分にとって興味深い要素がてんこ盛り。恋だ愛だので無理な物語にしてない、情感薄く無機質的で、現代社会を舞台にするならこういうのが受け入れやすいし違和感がないなってところ。著者の本気は充分感じるし、内向きじゃないところもいい。全体に好み。次は何にしようかな。娘はジェネラルルージュの凱旋が一番好きだと言っている。でもこれだと伝説を先に読まないとならないらしい。いっそ、死因不明社会にするか。お楽しみが増えた。
by kienlen | 2011-08-08 17:50 | 読み物類 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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