『日本中枢の崩壊』

友人が「すごい話題になっている」と言って貸してくれた。でも、私は知らない。世間の流行に疎い。ちょっと忙しい時期だったので「当分読めそうにないけど」と断ってから借りた。それは嘘じゃないが、実はすぐに読みたくなるほどの面白さじゃないと思ったからというのもある。官僚をやめた人の本っていくつか読んだけど、こういっては何だが、庶民の末端からすると「結局同じじゃないかな」と感じることが多い。つまり自分は違うんだって立場から批判しているようでいて、こっちから見たら似たようなもんで、それだったらもっと広い視野と正義感をもってくんないかな、というような感じ。編集方針とか書き方とかいろいろあるから著者の方がどうのとすぐに言えるもんじゃないが、どっちかというと、そういうイメージがあった。で、この本。著者の古賀茂明さんは官僚を辞めているわけではなくて現役。がんばって欲しいです、現役でここまで書くということにまずは拍手。それと、全体的に自分的好感度はこの手の本としてはとても高かった。品のいい良識的な本って感じ。

自分を異端視していないのがまずいい。いきなりそういう感想っておかしいように思うが、割と多いように思えてしまう、異端に位置付ける方って。私はまずそれで駄目だ。よってこれは駄目じゃない。どうなんでしょう、考え方としてはリバタリアンというか市場原理主義者というか小さな政府というか、私学問的には詳しくないが、そういう主張で一貫している。それがどうかはともかくとして、官僚の生態をここまで楽しく(楽しんでいる場合じゃないとはいえ)描いて絶望的な気持ちにさせるって凄いんじゃないかな。本というのは本だからこその面白さが欲しいので、その点で良かった。なんて面白がっている場合じゃないってことは分かる。とっても共感なのは補助金のところ。自分にとって身近なところでも呆れることの数々。これが随所でやられていると思っている時に、こういう本で補強されると日本の問題根深過ぎであることを痛いほど感じる。島国の中のさらに島の中の争いに血道をあげているエリート像、本当だとしたら(みんな嘘だったんだと思いたい)将来は暗い。帯に「全日本人必読の書」とあるが同感。各論で同感ということじゃなくても、知識として持っているべきことだらけと思った。せめて成人式の記念品に、読後レポート提出という課題付きで一斉配布というのはどうかな。内輪での良識じゃなくて外から見ても良識的な方々にぜひ力を持っていただきたい。陰でしかないが応援。
by kienlen | 2011-08-02 15:12 | 読み物類 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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