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自明は不明でもある

今週は珍しい忙しさだった。家にいる時間がなくて書けなかった。友だちに「似合わないからやめて」と言われたが、そうでなくても4、5日が限界。もっとも東京行きが入っていたことがせわしい原因といえばいえる。タイ料理のパーティーがあるということで行ってみる予定にしていて予約してあった。キャンセルしたいくらいだったけど、それもいけないだろうと思ってがんばった。その日は早朝からの出で、昼の忙しさがピークの日できゅうり採りも休みをもらってあった。へとへと気味で夕方の新幹線に乗った。友人が一緒だったのは幸い。ずっと話ながら行った。会場と思われる場所は表向きは明かりひとつ漏れていないただのオフィスビルだが入り口にたくさんの飲食店の電気看板が並んでいてもしや全体が飲食店ビルかと思わせるくらい。そのうちのひとつに会場の店の名前があった。地下1階とある。目の前にはエレベータしかなく、何の疑いもなくエレベータに乗った。すると管理室とかボイラー室だけの狭い空間に出た。ひとりだったら怖くなるような空間。ここであるはずがない。戻ってもう1度看板を確認したけど地下で間違いはない。

途方にくれていたら友人が「あっ、これ」ともうひとつの看板を示した。そこには、その店がすでに閉店していることを説明する貼り紙があった。何が何だか分からない。パーティー自体が詐欺だと思うには会費は当日払いだから被害はなし。もっともここまでの時間と新幹線代は高くついているが。こういう風に途方にくれるってめったにない経験。ふたりいたのが良かったのか悪かったのか実は分からないのもこういう時で、ひとりならその辺をうろうろしてみたかもしれないけど、ふたりだから「何、これ、どうなってんの」で顔を見合わせているだけで時間が結構たってしまうものなのだ。可能性をいろいろ吟味。でもどう考えてもこの場所しかない。しょうがないから無駄とは思いつつ、ビルの前で携帯を使っていた男性に「この店ご存じですか」と聞いてみた。「僕も初めてだけど、地下なら隣に階段がありますよ」と言う。それで通りに面して壁の向こうに階段があるのを知った。つまり看板の並んでいる向こう側。看板を見ている限りは絶対に分からない場所。東京って何て分かりにくいのでしょう。それにしてもパーティーやるのにあまりに不親切、というのは上京者の発想で知っている人には思いつきもしないことなんだろう。30分も時間を費やして開場ぎりぎりに受付。あまりのことに事情を友人がちょっと話したら「そーですか」という反応。私もびっくりしたが、友人も。それでもう台無し。「東京には住みたくない」という言い方をしたら友人も同意。安くない会費だし客のつもりだったけど、そういう従来の関係とは違う輪で行われているのだろうと感じたパーティーだった。心地よいかと問われれば、パーティー嫌いなのは別にしても「いいえ」としか言えない。
by kienlen | 2011-07-29 04:22 | 出来事 | Comments(0)

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