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入川保則さんの本と話

昨日、俳優の入川保則さんの講演会に行った。といっても知り合いではないし、芸能関係は大変に疎いのでどういう俳優さんかも知らない。知り合いなのは友人で、その友人たちが主催したものだから行った。その前に『その時は、笑ってさよなら』という本に目を通していたので、内容はだいたい想像がつくなと予想していたのだが、ま、そのまんまだった。この本には「余命半年の生き方」という副題がついている。つまりガン患者。延命治療をしないということが話題になっているそうなので、私はてっきり若い人かと思っていた。でも71歳、もうじき72歳になるそうだ。それに、治療したところで2年寿命が延びるだけと言われたそうだから、2年を手術や抗がん剤でいわゆる闘病生活するのと、半年間薬も飲まずに普通に生活するのとを、71歳、やることはやった、仕事において限界も感じるようになった、そして医師がそっちを勧めてくれて伴走してくれるという場合であれば、私も多分そうするな。で、初期のガンだったらどうしたんだろう、と聞いてみたい気がしないわけでもないけど、かといって質問したいというほどでもないのでそのまま帰った。

面白いなと思ったのは、延命治療をしない宣言をしたことが大ニュースになるということ。不思議。70歳過ぎていて、延命治療をやって2年と言われてやらない人は巷にはたくさんいるんじゃないだろうか。そうでもないんだろうか。どっちにしてもこの方が芸能人でなかったら、ここまで話題になるようなことでもないと思うので、知名度のある人が問題提起をしてくれるのはいいことだと思う。私はずっと思っていて周囲に言っても誰も賛成してくれない安楽死のことも本の中で書いてくれている。70歳過ぎて希望するなら安楽死があってもいいんじゃないかと。年齢で区切るのがどうかはともかくとして、本当に苦しい場合の安楽死はあってもいいと思うのだが。オランダの合法的な安楽死の本を読んだり、雑誌でそういう活動をしている医師の話などを読んでも簡単なことだという印象はない。でも、医療制度が崩壊して次世代にツケを回すとか、自殺者がこんなに多いことから目を背けてるよりも、検討してもいい事項のように思うのだけど…。国が医療費の高騰に困っているんだったら、希望者には安楽死があっても困らないと思うのだが…。まあ、そんな恐ろしい物議をかもす勇気のある人は意志決定の場に加わろうとしないのか。となると、こういう方のご活躍を期待したい。
by kienlen | 2011-07-16 18:11 | 出来事 | Comments(0)

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