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『勉強の仕方』

米長邦雄さんと羽生善治さんの対談本。大変に面白かった。素直な意味では、タイトルと内容はそんなに関係あるようにみえないが副題に「頭がよくなる秘密」とあるし、よほど、自分の子の頭を良くさせたい親を意識しているんのか、でも本質的なところでつけているともいえる、ということは素直にそのままってことか、よく分からないけど、とにかく面白かったからいい。米長氏といえば、保守的な発言が浮かぶ人で、何を話しているのかと怖さ半分だったけど、極めてまっとうというか、うなづけることばかりだし謙虚だし好印象だった。羽生さんの発言は多くない。ほとんどが米長さんのお言葉。親子ほどの年齢差ながら、羽生先生と呼んでいる。

最初に言うのが「仲介業者にだまされるな」ということ。大賛成。2001年の発刊であるせいもあり、現象面ではオウムを例に挙げているが、仲介業者に頼らずに自分で見て考えて判断する力を持つべきなのは宗教に限らずどの分野の同じじゃないだろうか。はいはいごもっともで話は進み、将棋界の内情をのぞくような話もとっても面白い。人生訓的な内容って一歩間違うとすごく嫌らしくなると思うけど、将棋の実力という裏付けがあるため、そういう嫌らしさどころか、さっぱり感がいっぱい。娘が羽生さんの『決断力』を先に読み、私はこっちが先。ちょうどふたりとも今日読み終えて交換し、お互いに「じゃ、楽しみに読みましょう」ということで引き下がった。タイトルはちょっと子供向けっぽいけど熟年向けだと思う。面白かった。
by kienlen | 2011-07-14 20:34 | 読み物類 | Comments(0)

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