大鹿村騒動記

昨夜、試写会にて。これは面白かったなあ。高齢化社会の新しい(のか知らないけど)市場開拓みたいな感じ。さんざん人間を見つめてきました、という製作陣がその成果をいかんなく発揮しているみたいな、そんな感じ。楽しかった。泣かせようか笑わせようという意図が感じられないのが良かった。ちょうど映画に行く前に、夫の店でビックイシューを読んでいて、そこに棋士の羽生さんのインタビュー記事があって、名前は知っているけど読むのは初めてで、何気なく読んだだけなのにあまりの感動に、そこにいた娘にその感動を伝えると、娘はこの人が割と好きみたいで色々と解説してくれた。若いものが家にいると便利である。それにしてもビックイシューのインタビュー記事って好きだな。また東京の友人に頼んでバックナンバーから買ってきてもらおう。で、この映画もその将棋論に通じるというか、引いて生きる的なところが自分の中でつながって、結構いい気分で楽しむことができた。もっとも将棋の方は繊細でこの映画の粗い感じは対極だけど。

主演は原田芳雄だそうだ。良かった。岸部一徳も良かったなあ。あの浮き加減の微妙さが何とも言えず。近代化によって排除されてきたマイノリティーが受け入れられる古き良き日本のコミュニティーなんて言うと陳腐になってしまうけど、歌舞伎をテーマにしていることで異次元感が出てる。お祭りってこういう役割なんだ、というのが、お祭りでは物語になりにくいけど、歌舞伎だとなるんだな。いやあ、楽しかった。この間のブラックスワンはアメリカでバレエで、戻る場所のないような追い詰められ方を徹底しているとすれば、こっちはその真逆。若い性的マイノリティーを登場させたのも違和感なく見られた。信州の山は奥深いのである。とっても安心して楽しめるこじんまりした娯楽で現代社会に疲れた人と、疲れてねえし映画なんかめったにみねえが行ってみるかい、みたいなところで楽しめそうなヘルシーな映画。癒やし系というのかな、こういうの。大鹿歌舞伎、見たい。行きたい。
by kienlen | 2011-06-29 09:25 | 映画類 | Comments(0)

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