ブラック・スワン

見たいと思ったことも、見るつもりもなかった。でもいくつも受賞しているのと、友人が見て悪かったとは言ってなかったのでそれなりのものなんだろうな、とは思っていたが。突然見に行くことにしたのは、ちょっとバレエについて知っておく必要が出て来たから。何かのきっかけになればと見に行った。勉強のつもり。で、映画は見てみないと分からないので、見るんじゃなかったとまでは思わないが、自分には全く合わない作品だった。昨夜のが90%合わないなら、今日のは100%以上。こういうのってどういう分類なんだろう。ホラー映画なのか成人向けなのか。私は噂等々で母と娘関係を描いたものだと勝手に思っていた。その思い込みがまんざら間違いとは言えないと思うけど、ただただ陳腐に感じただけ。白鳥と黒鳥の変化を演じるアーチストが狂気をはらんだところで何が珍しいのかちっとも分からない。芸術家ってそういうものだと思っているので。まあ、全部じゃなだろうけど。何から何まで陳腐だったなあ。どうして評価が高いのか分からない。自分の感性では、単に気分の悪い映画というに過ぎなかった。

自分の思い込みの中でのアメリカ映画の典型だったな。人物がシンプルでユーモアがなくて諦観もない。のっぺり平面的な人物が一生懸命何かしてますみたいな感じ。しかもただ前につながる一本道だけで、脇道もなければ森の深い香りもしない。やはりもう世の中についていけないんだ、自分。こういう映画を何のために作るのか分からないんだから。怖がらせるためにしては半端に現実的な物語りがあるし、深く響く怖さでもない。お化け屋敷くらい。子供向けにしては妙にピンキーな場面が多いし、もう意味不明。どこにも響いてこないのである。若い頃だったら感じることはあったのだろうか。まだ悩んでいた頃だったら。でも何か違う。あるいは芸術的なセンスがあったらどうだ。何か違うように思う。バレエをやっていたらどうだ。ううむ、想像もつかない。母子関係に悩んでいたら。さんざん悩んだけど、こういう意味じゃないし。美人だったらどうだ。分からないなあ。とにかく自分の好みはよく見えた。それはすなわち完璧に向かうなんて幻想がなくユーモアと諦観があって適度におしゃれで適度に泥臭く依存的じゃない愛と自由があって社会性があること。はあ、思い出しても寒気ばかり。別のを見るべきだったか…。今週末はチャップリンのでお口直ししないと。
by kienlen | 2011-06-16 20:27 | 映画類 | Comments(0)

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