木漏れ日の家で

この間の上京の折、一緒に行くことになった友人と一緒に見る予定だったのが、チケットの持ち主である友人が別の予定が入って駄目になり、ひとりで行った。会場は岩波ホール。ここではずっと前にサラエボの花を見たなあ。同じくその友人と。どういう内容か全く知らずに行った。友人は「アンジェイ・ワイダ監督作品」と言っていたような気がするが、そしてだったら見たいなと思って、そう信じて見たのだが後でネットで見たら違うではないか。「灰とダイヤモンド」「地下水道」だったかな、見ましたね。自分にもあった青春の一コマみたいな感じ。機会があったらぜひまた見たいもの。それはともかくこういう誤解と共に見た。モノクロームなのにびっくりしたが、白黒は好きだし、すごくきれいだった。主人公の女性の実年齢も91歳だそうで、それは誰でもこんな風に歳を取れたらと思うに違いない理想の生活。古い一軒家での犬との暮らし。

それはそう思ったし、映像がきれいだったのと犬の演技が素晴らしくて、これは犬を飼っている人向けかと思ったくらいだが、全体に見てどうかというと、私にはひどく退屈だった。腹が立つ映画というのがあるけど、それとは違う。ともかく主人公と犬の魅力が充分なのは分かるが、そのためだけにここまでの長時間を拘束されるのもなあってところ。ワイダ監督と信じていたので社会派みたいなのを想像していたけど、そういうのは感じなかった。で、そういう意味よりも芸術作品であるのかと思いたかったが、シュールなところはなくて、自分の感性には響くものがかなり少ない映画だった。ただ最後でぽろっと涙ってところ。この最後がなかったら印象はもっと悪かったかも。かといって腹の立つようなものではなくて、自分の中の引き出しのどこに収めたらいいのか分からない、不思議な印象。そして退屈なのに多分この映画を忘れることはないだろうという点ではやはり強烈だったのかもしれない。そうだなあ、高齢化社会でありふれていそうなのに、こんな風に映画になるのって、91歳の女性のほとんどひとり舞台って、やっぱ凄いんだろうなあ。そうか、今になって価値に気付いたような気もする。
by kienlen | 2011-05-19 08:17 | 映画類 | Comments(0)

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