苦役列車

芥川賞の受賞作を読むということはめったにないが珍しくその機会に恵まれた。友人が感銘を受けたようで、ちょうど私も読みたかったしで、貸してもらった。友人の感想を聞く限りでは、ただ、ふうん、という感じだった。面白そうに感じるというのでもないし、かといって全然興味がないというところまででもなし。それで実際に読んでみての感想としては、そうだなあ、小説を読むのって久々だし、慣れてないというか、昔風というか、どっかで見たことある感に襲われた。大仰な言い回しがレトロっぽくて、でも内容は今っぽくて。主人公が19歳という設定なので、その感じは出ているのかもしれない。そういえばウチの息子と同じ歳か。そうか。

感銘を受けた友人は著者と同世代で、私は上の世代。そのせいかどうか、それもあるのかどうか、うううう、あるいは純文学というものへの感性がないのか、私小説がもともと好きではないせいか、私には感じるものがなく、これだったら設定を19歳にしないで30代後半か40歳くらいにして、それで状況をこうしてくれればもっと人間の内面と時代状況への感じ方を描いてもらえるのになと思った。まあ、つまり自分は、そんな風にしか思えない歳になってしまったということなんだろう。ああ、でも私小説だから設定を勝手に変えられないのかな。でも小説だもんな、って、小説のこと、あまり知らないから。続けて、同じ友人から一緒に借りた同じ作家の文庫本を読み始めたが、こっちは結構面白い。
by kienlen | 2011-03-19 23:41 | 読み物類 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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