「ミックマック」

昨日、一昨日と出っぱなし。昨日は多少時間があいたが、半端な空き時間にまとまったことができるわけじゃないし、映画を観に行った。友人から強力に勧められていたミックマックの上映終了が近いから。広い館内に観客は自分ひとり。と、上映開始直前になって男性がひとり入ってきてふたりになった。その人がドアをバンっと開けて出たり入ったり壁際に立ったり椅子に座ったりと落ち着かない。挙動不審というのか。外見が怪し気だったら居たくない雰囲気だが、こういう時も歳を取るっていいなあと感じる。勧めてくれた友人が「いろんな要素が凝縮されている」みたいに言っていたのでテンポが速いのかと思っていたらそうではなかった。それと武器商人の話と聞いていたので大好きな「ロードオブウォー」みたいなスケールを想像していたら、これも違った。始まって早々「現代の寓話」っていう、よくあるフレーズが浮かんできた。基地としての家族みたいな場所があって、それぞれが特技を生かしながら必要に応じて結束し、ひとりひとりが大事にされて存在感を感じることができてという、多分誰もがあこがれる家族。その家族が武器製造会社という悪をこてんぱんにやっつける、しかも殺したり傷付けたりせずに。

映画だからこそという面白さを存分に味わうことができた。怖くて目を背けたり伏せたいする場面がないし、奇をてらってないから「だから何なんだ!」というイライラ感がないし、ノスタルジックな映像はゴミも武器もきれいに見せていかにも、それがまたノスタルジーと反対に現代という時代のリアルを感じさせるし、役者もそれぞれぴったりで隅々まで楽しく繊細なタッチで、そして最後の痛快なすっきり感と意外性と希望。ああ、面白かった。「アメリ」の監督さんだそうだ。アメリは観たいなと思いつつ観てない。残念。今後、機会があったら観てみたいと思った。見終わってから初めてチラシを見た。表のコピーはたった一文「世界が平和でありますように」。大方の人はこれを願っているのだろうし、アートにこの希望が伴わないということはあまりないと思うのだが、それをズバッと嫌みなく映画にするのってすごいな。まさにこれ。それなのにこの暴力あふれる世界。その手段でありまた象徴が武器。シンプルに楽しく共感な映画だった。
by kienlen | 2011-03-02 09:57 | 映画類 | Comments(0)

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