『旧暦と暮らす-スローライフの知恵ごよみ』

松村賢治著。面白かった!そもそもの関心は、大晦日に夫の店で除夜の鐘の様子をテレビで見ている時だった。なんで、新暦の大晦日から正月にかけて年取りの一連の行事があるんだろう…。除夜の鐘以外に、神社や寺の行事が紹介されていた。しばらくベトナム関連の本を読んでいて、正月はテトだと知り、そういえばタイは仏歴で数えているし、華人にとっては旧正月が最大の正月である。日本って不思議。新暦だって明治政府が取り入れたに違いないのにこの徹底した浸透ぶりは何だ。もう太古の昔からこのカレンダーだったような顔しているじゃないか。だいたい旧暦について何も知らない自分、はあ、情けない、とほほほほ。それに旧暦って言い方もなあ。と、そんな風に思っていて、かといって積極的にそれの関係を調べるというほどの力もなく、この間、娘と書店に行ってぶらぶらしていたら偶然この本を見つけた。文庫本だから買いやすい。「はじめに」を読んで、おお、これは本物だ即決だ、と感じて購入した。

何がはじめに書いてあったかというと、著者と旧暦の出会いである。ヨットで世界周航の旅をしていた著者が、潮の満ち引きで生活する人々と接し、旧暦に興味をもったことが書いてあった。それから旧暦って何か、という解説があり、どうして旧暦が使われなくなってしまったかとか、著者が設立した協会発行の旧暦カレンダーについてや、それを利用している人々へのインタビューとか、旧暦の威力とか、旧暦を知ることで古典文学が分かることや、歴史的な事件が旧暦の天候によって左右されていることなど、いろいろが書いてある。こういうことを子どもの時から知っていれば人生違ったのになあ、残念である。本当に残念だ。親はどうして教えてくれなかったんだ、学校教育は何していたんだ、なんて責めてもしょうがなく、知らなかった自分がバカなんである。時間というのは哲学のテーマでもあるわけだが、いや別に哲学をやっているわけじゃないが、時間の不思議は誰だって感じるわけで、暦の不思議と面白さをとりあえず堪能させてもらえる入門本。それにしても日本の脱亜入欧ぶりはすごかったわけだ。おかげで得した部分は大きいとしても、やっぱ方向性として考え直す時期でしょ、特に政治家の皆さん、ってな気持ちに根拠を与えてくれる本でもある。旧暦カレンダー欲しくなった。
by kienlen | 2011-01-18 13:36 | 読み物類 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


by kienlen
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30