内向きな話

代理で店番をしている時に「あんたのダンナさんは偉いねえ」と何度か言われた。いつも来てくれるお客さん。外国人でがんばって店をやっているという意味だろうかと思っていたら違った。「人の話を受け流すから」というのだ。ううむ。こういう話は実に勉強になる。なぜかというと、常に流してばかりの夫にはうんざりだから、その何がいいのか分からない。「受け流すんじゃなくて、ただ流してますよ」と私が言うと「それがいいんだよ」とお客さん。「何がいいんですか」と聞くような自分は受け流しの全然できないタイプです。「だってさあ、お客なんか勝手なことしゃべるじゃない。それをフンフンと聞いているんだか何だか分からないが受け流さないと、あんた、やっていけないよ。Mなんか見てみろ。しゃべりっぱなしじゃないか。あんなの相手にできないよ、フツー」みたいなことを言う。Mというのはタイ人で、確かに常にしゃべっている。何か重要な話かと思って耳を傾けると「マイミー サーラ」、つまり中身がない。何が言いたいのか理解しようとすると頭がこんがらがる。娘が「校長講話の感想書かせられるから何言っているか聞こうとするけど全然意味が分からない」と嘆くのと一緒だ。

なるほど。そういえば、知り合いと店で話していて怒らせたことがあった。「なんで俺がここでそんなこと言われなくちゃいけねえんだ」と椅子を蹴りはしないが、不愉快そうに出て行った。仕事の愚痴みたいな事を言う相手に対して自分としては普通に受け応えというか、思うところを述べただけなのに、だ。しかもその時は自分は店番じゃなくて、単に同じ客同士として話していただけ。よって、私にスナックのママさん的癒しを求められる理由はないんだけどな、と思ったものだが、結構多くの男性というのは、女性と話す=癒される、をどっかで期待しているのかなあと感じたことは感じた。ふんふん、と、とりあえず聞いているだけなのが大事なんだろうか。私としてはこういう態度は失礼に当たると思って正面から対処してしまうわけだが、それに、ふんふんと聞いていることで同感していると誤解されて少々困ったことになった経験もある。そういうことがあると、誤解を避けるために説明過剰になったりする。難しいというか、面白いもんである。そして相手にもよるもんである。それと自分がどっちですっきりするかである。同じようなタイプで夫婦だったら議論が続くかもしれない。会話があるなんて仲良しな証拠、羨ましいと思う反面、面倒そうだとも思う。夫といい息子といい受け流しタイプになってるようだし、娘もそういう傾向が見えなくもない。ということは、私に問題があるのかもしれない。
by kienlen | 2011-01-18 08:56 | その他雑感 | Comments(0)

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