『ネパールの「赤ひげ」タイへ行く』

古本で安かった岩波ブックレットの古い本を偶然発見して購入。岩村昇さんというお医者さんが書いたもの。85歳の母上と妻、ネパール人の養女2人を伴ってのタイ赴任という書き出しだったから、そういう家族を含めたタイでの暮らしを描いたものかと想像していたらかなり違った。この本の内容はむしろ、タイの農村の中でも特に貧しい村の様子と、そこで公衆衛生や暮らしの向上を目指す取り組みについて、リラックスしながらの紹介。薄い本だからいろいろ詰め込むのは無理で、これはこれで、ちょうど自分がタイに行く直前の頃の時期の出来事であり知らない世界であり、ひじょうに興味深かった。特に、貧しいといえばお決まりで登場する東北地方の村に続いて最後に出てきたプロジェクトにはびっくり仰天。積年の謎にヒントを与えられたようで感動してしまった。

それはチャンタブリという県のことだ。私はここに初めて行った時にまず「タイの他の場所と根本的に違う」という印象を持った。清潔でオーガナイズされた感じがあって、混沌としていない。大変驚いた。駅前のよくある麻薬撲滅キャンペーンの看板にしても、何かこう、形式だけじゃないぞ、みたいな雰囲気を醸しているのである。食事は旨いし店員さん達の感じもいいし、すべてにおいて私の知る限りのどこの場所よりも好印象だった。これは一体何でなのかと思ったが分からない。カンボジア国境で宝石加工の産業で豊かだとか、フルーツの産地だとか、まあ全般に豊かなのかもしれないが、何かそれだけじゃないように感じられてならなかった。そしたらこの本によると、健康づくり推進のボランティア達がこの県の農村に住み込んでプロジェクトを推進していたということが分かった。これがあの時の印象と関係しているのかどうか分からない。でも何となく納得。気になっていたことと、それに関連しそうなことがつながった時はすっきりするものだ。このすっきり感が的外れかそうじゃないかは調べてみたい感じ。課題が具体的になって初めて取りかかれるから。
by kienlen | 2011-01-13 13:23 | 読み物類 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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