ベトナムの本2冊

今年に入る前に読んだのは、古森義久著『ベトナムの記憶-戦争と革命とそして人間』。ベトナム戦争が終わって20年という年の1995年発行。戦争中に新聞社の特派員としてベトナムに駐在。戦後も残って取材。その後にワシントン特派員としてアメリカで、難民等として渡米したベトナム人にも会うという経験をして、副題にある通り、人間とは何かを戦争や革命を通じて浮き彫りにしたもの。読み応えがあった。新聞社という組織に所属するジャーナリストという立場がはっきりしていることもあり、自己言及する必要がないのが、自分なんかにはちょっと物足りない感じはあるけど、それは別問題だからこういうのはこういうの。

その点で次に読んだ河野實著『誰も書かなかった 素顔のベトナム-越南4000キロの探訪記』は、趣の異なる一人称の書。ベトナムの素顔だけじゃなく、折に触れて著者の素顔も見えるということになっている。一緒に旅しているような気分になれるし、行ってみたい所だらけ。これを読んでガイドブックで場所を確認して行ったら面白そうだ。ただ後半がちょっとお説教的になってきているのが、何なんだろう、と思った。グルメとショッピングだけの日本人の旅行を改善しようみたいな話。そういう旅行をしたことのない者が読むと、別にここでお説教されたくもないんだけど、と感じてしまい、ま、これも別問題な話なんだから気にすることもなければ、行ってみたくなるベトナムという本だった。奇しくも同じ1995年の発行。確かこの頃はベトナムブームみたいなのがあったはず。それからもう15年だから、変化は大きいんだろうけど、このあたりを押さえてから旅するのは良さそうな感じ。
by kienlen | 2011-01-09 00:29 | 読み物類 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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