上原善広『異形の日本人』

友達が「2時間で読めるよ」と言って貸してくれた。偶然のご縁で読んだ本。そうでなければ自分がこの本を読むことになる可能性はかなり低い。タイトルで興味持つことはないだろうし「大宅ノンフィクション賞受賞第一作」という文句で興味持つこともないだろうし「タブーにこそ、人間の本質が隠されている」という帯の惹句で手に取ることもないと思う。こう、方向性というか感性というか、相性というか、とにかくいずれの文句にも惹かれないのである。ただし読んでみたら面白かった。それぞれ独立した6人に関するノンフィクション。すでに故人の場合は周辺取材と資料にて。生きている人の場合は取材して。で、その6人を「マイノリティ」というカテゴリーでくくっている。ただ、私はこのマイノリティというのがよく分からない。そもそも何がマジョリティーなのか分からないのだから、マイノリティが分かるわけないし、そういう分け方自体があまり好きでもない。もっとも数の多寡が見えやすい意味でのマイノリティだったら分かりやすいから別。

でもこういうテーマにしたのは著者が路地の人で、それについて書いてきたからという背景があるらしい。となると分かりにくくはない。それにしても私は、被差別部落を路地と呼ぶことをこの本で初めて知ったんだから、物を知らないというものだ。6人の物語はどれもひじょうに面白かった。視点がマスコミ、マジョリティーと異なるということなのか、あるいは物語の人達そのものがマイノリティなのか、まあ両方なのかな。なんてことはどうでもよくて、単純に面白かった。新潮新書だから確かに2時間で読めるのもあると思うけど、これは私は2時間以上はかかった。図書館で借りた本の続きを読みたいために早めに寝ることにする。野菜と果物のいただきものが多く、とても充実した食生活の秋。それにしてもあと2か月足らずで今年も終わりとは・・・。何だか人生について考える、しみじみ。しみじみに浸っているわけにもいかず、今日はちょっと仕事した。
by kienlen | 2010-11-14 20:54 | 読み物類 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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