タイ人も使う便利な日本語「お願い」

今月に入って「タイ語でお願いします」というような検索ワードがいくつか目につく。ひとりかもしれないし、数人かもしれない。今まで多かったのは「よろしくお願いします」だから、挨拶を済ませていよいよタイ人と関わるようになって「お願いしますって何かな」というところなんだろうか。もしも、日本でタイ人と接するなら「お願い」は、タイ語の中にかなり入り込んでいると言える。タイ人がタイ語に混ぜてよく使っている。「お願いカオ」つまり「彼に頼む」という具合に。ということは、タイ人にとってとっても便利な言葉なのだろう。確かに日本人にも便利だ。依頼表現の万能選手。相手が目上だろうが目下だろうが使えるし、軽く頼む時から本気で頼みこむ時まで、顔の表情とかパフォーマンスとか前後を変えれば広く使える。で、「タイ語で『お願い』は何」と聞かれて何て答えるかは、タイ語の先生でもない私には即答できない。どうもぴったりする言葉を思い付かない。状況によるんである。タイ語の先生ではないが、タイ人の夫に単純に「お願いってタイ語で何」と聞いてみた。「コー ローン」という答えだった。

確かにそうだが「ちょっとそれお願い」的には大袈裟。軽く頼むなら「チュアイ」の方がモッ(ふさわしい)だと思う。「手伝う」という意味だから「ちょっと手を貸して」みたいな感じか。最後に「ちょっと」を意味する「ノイ」をつけて「チュアイ~~ノイ」となる。ひじょうによく使う表現。上司が部下に頼むとか、レストランでお客さんが従業員に言うとか、友達同士などだと問題ないが、しかしかしこまった場で使うにはちょっと気が引ける。バンコクでタイ語をちょっと習った時に、やはりすぐに「お願いって何だろう」の疑問はわいてきた。大変に便利な日本語なのだ。大学で日本語専攻だった先生に聞いたら「コー クワームガルナー チュアイ~ノイ」と言われた。喜んで職場の同僚のタイ人に使ってみたらきょとんとされた。そりゃあチュアイ~ノイよりお上品だが、普段使いにはお上品過ぎ。お着物を着こなして「あら、それお願いしてもよろしいのかしら」みたいか。「コー」は「下さい」「ちょうだい」「くれ」という時に使うから、日本語としても「~していただけますか」という感じかなあ。専門家じゃないので実感だけど。へりくだりの表現を実感できるという点でタイ語と日本語は発想が似ていると思う。結局タイ語のお願い表現は状況に合わせていろいろということになる。「タイ人もお願いって日本語で使っているよね」と夫に言ったら「それは日本にいるタイ人だけ」と言われた。当然、タイで通じるわけがない。
by kienlen | 2010-11-06 10:04 | 言葉 | Comments(0)

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