草を取る人、取られたくない人

この間、実家のあたりを通りがかったので、さすがに高齢になっている親に連絡してみたが電話に出なかった。そのまま家に戻ったら当人達がウチの庭で草取りをしていた。すっかりきれいになってしまった庭に呆然。草取り魔の母が来ると私の楽しみが根こそぎになってしまうのである。これって山育ちのせいか、生えているものから「何か食べられるものはないかな」と見つける習性がある。年のせいかそれが強くなってきた感じがする。子どもの頃いつも山に行って食べられるものを見つけていた癖に違いない。こんな町中のこんな狭い庭というか駐車場で何か見つかるわけもないのだが、それでも食べられるものをなるべく植えて何年もたつと、枯れたと思っていたのが根付いたりでフキやミョウガやニラや三つ葉なんかが増えてきている。ザクロの芽もあちこちから吹き出している。とにかく雑草に混じって何かがあるのを見つけるのが好きなのである。この習性についてはしょうがない。そういう場所が欲しいと思うだけ。そして夫と珍しい共通の趣味もこれであるし、娘もどっちかっていうとこちら。息子はまた別種。

草取りというのは母の大きな楽しみらしい。父も「具合悪いって言っても草取りの時は元気じゃねえか」と言っている。その通りに生き生きしている。そういう人に文句を言ってもかわいそうなのでちょっと言う程度に留めておいた。向こうも私とは趣味趣向が全く合わないことを承知しているので「そんなに取ってないよ」と言っている。まあ、昔に比べたらマシかな。年のせいで、完全に取り切るのは面倒くさくなっているに違いない。「うさぎの餌も残しておいたから」とタンポポは少し残っていた。これだけでもすごい変化。しかし母がひとりで行動しなくなり、必ず父を巻き込むようになったのは思いやられることだ。父までおかしくなったらやばいと思うが、彼のああいうのを鈍感力というのだろうか。この状況でよくもここまでまともでいられるものだと感心する。それで珍しそうに母の状況を説明するから「それ、とっくに予想ついている」「ああいう人がどうなるか分かる」と言ってしまう自分。「よくやっているよね」と言うと「俺は大丈夫だ」と言っているのは救いではあるが、冬の間にどうなるか、かなり不安はある感じ。しかし夫婦ってさすがだよな、という感じはする。
by kienlen | 2010-10-14 17:17 | 出来事 | Comments(0)

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