玉村豊男『世界の野菜を旅する』

玉村さん、著書はたくさんあるのに読んだのは初めて。ついでに、農場までは行ったことがあるけどレストランで食べたことはまだない。書店で見つけて読んでみようと思った理由は唐辛子のこともでてくるから。それに私は野菜が大好きだから。夫が店を始めてから、人によって辛さに対する反応があまりに違うことを目の当たりにして、これって何だろうとずっと不思議に思っていた。バンコクにいた時はそんなに感じなかった。というのは、辛いのが嫌いなら辛い料理を注文しなければいいわけで、あるいは基本は辛い料理でも「唐辛子なし」で注文する人もいて、注文した料理を「辛くて食べられない」という人は見たことがなかった。それにバンコクだったらタイ料理が嫌いでも問題なく豊かな食生活を享受することはできる。ところが日本だと、タイ料理に対するイメージというのがあり、どうも「辛い」は真っ先にくるものらしい。よって、タイ料理店に来るということは辛いものを思い浮かべながら来るということになる、ようである。そういう人の中には辛いものが大好きと自認している人もいる。つい先日もそういう知り合いが来て「でも辛過ぎて食べられなかった」と言う。夫に「辛すぎじゃないの」と言うと「だって辛くしてくれって言われたから」と言う。私からのアドバイスをするなら、辛いのが好きという人も一応店の標準で食べてみて、物足りなかったら次に「辛め」をリクエストしていただくことだ。辛さは唐辛子を足せばいいけど引くことはできないから。

なんて店の話はともかく、やはり不思議。辛いのは全然ダメと言い張っていた人が辛いのを平気で食べるのも何度も見た。ウチは家族揃って辛党なので娘も息子もタイ料理は好きだ。それで、この間、タイのおみやげを娘の友達用に持たせようとしたら娘から「あのねえ、普通はこんな辛いもの食べないの!」と一蹴されてしまった。あとは欧米人の辛さに対するレベルは本当に低い、と思う。そしたらこの本の中の唐辛子の項で、そういうことに触れていた。なぜタイでは唐辛子があんなに普及して、お隣のベトナムでは違うのか、ヨーロッパではごく一部を除いて受け入れられなかった。でも一部では食べられたのも事実。韓国では浸透して日本は違う。そうだそうだ、なぜなんだ、と期待して読み進めると答えはごく簡単だった。味の好みって理屈でどうにかなるもんでもない。太るから甘いのは止めようと言いながら甘いものを食べている人を見ると、私なんかすごく不思議だが、健康に良くないから辛いものは止めろと言われたら人生の楽しみが減るな、とはいつも考える。本はとっても面白くて一気に読んでしまった。自分に料理のセンスがないのが残念。一番羨ましい人は料理上手な人。料理が上手ならどこでも商売できてどこでも生きて行けそうな気がする。
by kienlen | 2010-08-17 09:28 | 読み物類 | Comments(0)

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