「誰がため」

朝飯前に仕事をガガガとやって娘に遅い朝飯を食べさせ、自分も残り物かきこみ「あ、今日も出かけるから」と娘に言い「でも、間に合わないな、やっぱ止める」と言うと娘が「一体どこに行くの」と言うから「映画」と答える。駆けつけてギリギリ間に合うかどうか。自転車が錆びてブレーキが壊れてタイヤの空気が入ってないからスムーズに進まなくて時間かかる分も見込まないといけない。なんてだらしない日常。やっかいな日常じゃなくてだらしない日常。しかしまあ、とにかく行ってみることにした。見たい映画をずいぶんと逃してしまったし、今週も今日しかムリ。予告をやっていて間に合った。辛くなるのは分かって覚悟して行ったけど、疲れた。辛かった。辛い映画ばかりどうして見るのか我ながら嫌になる、と、前にも感じたことがある。そうそうサルバドールの朝だったかな。舞台がデンマークで、あまり見る機会がないので見たいというのが第一。それとナチスの北欧における影響というのも恥ずかしながら知らないのでちょっとは知りたいというのがあった。

実在した2人の人物をモデルにしているということ。ナチスの要人を次々に殺す殺し屋。映像がカッコ良すぎていかにも映画というのが救われるというかエンターテイメント性はあると思うが、娯楽を楽しめない暗い性格の自分はそっちよりも物語や感情移入に気持ちがいってしまうので、ひたすら辛い。地下活動では、というか地下活動に限らないだろうけど、やはり組織的に動く時には組織内のダイナミズムというのがどうしても重要で、それを描く時のやるせなさというか、誰が悪人だ善人だの世界じゃないから、辛い。辛いに変わる言葉のないのがまた辛い。説明はかなり省かれている印象だったが分かりにくいということもなく、私としては好み。タイトルはちょっと弱めな感じだけど、まさにこれがテーマというか、そもそも戦争も反戦もテロも暗殺も一体誰のためよ、ということである。そこはもう辛い。正義感あふれる若者の物語というわけでないところが良かった。歴史を知っているともっとよく分かるんだろうが、知らなくても充分面白い。人殺しがテーマだから殺しの場面ばかりが続くが、すごくきれいな映像だし繊細そうな登場人物ばかりで、その対比がまた残酷さを増幅させる。空気感というか、アメリカ映画とはまた違うなあって感じ。北欧に行ったことがあるとひと味違うんだろうなあ。残念。
Commented by tate at 2010-08-06 22:49 x
このブログを読んだら行きたくなって、今日、娘と観て来ました。良い映画でした。紹介ありがとう。帰宅してからヨーロッパの地図を見て、「複雑になるはずだよなぁ」と思いました。ヨーンがなかなか魅力ある男で、それもよかった。「かっこいいおっさんだった」とは娘の感想。今年はスペイン映画やフランス映画を娘と観ました。地味な映像が多いから飽きるかなと思ったら、意外と毎回つきあってくれます。
Commented by kienlen at 2010-08-07 08:19
娘さんと行けるのはいいですね。私も考えるけど突然思い付くため誘うのが面倒で。彼女は子どもの娯楽系ばかりです。良い映画でしょ、良かった良かった。私はどの役者もかっこいいと思いました。主人公も良かった。直後はまだ辛さが残っていてそっちが強烈だったけど、今になっていい映画だったなあという思いが強くなってます。ヨーロッパの映画がやっと時々来るようになったのがありがたいです。
by kienlen | 2010-08-02 13:38 | 映画類 | Comments(2)

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