『走る意味-命を救うランニング』

金哲彦著。この人の、マラソンと駅伝の疑問の本が面白かったので書店で見つけてつい購入。仕事が手につかないのをいいことに読んでしまった。帯に「すべてのランナーに捧ぐ」とある。私はランナーではないが、周囲にも市民ランナーは多く、著者は今は市民ランナーのNPOを率いているそうなので、最後は市民ランナーへのメッセージという様相を呈している。始まりはガンが発見されて手術した11か月後にフルマラソンを走りきったという場面から。ガンの早期発見の重要性を訴えてもいる。それから走るのが好きだった子供時代、中学や高校の陸上部時代、早稲田大学時代の箱根駅伝での大活躍。その時の恩師との関係。リクルートで実業団チームをひとりで作りひとりで練習してひとりで活躍すること、女子チームの監督になって活躍。

ガンをきっかけに半生を振り返ったという感じの内容で、かなり感動的なドラマのある半生。重要なファクターに在日というのもあり、とにかくドラマチック。ドラマチックな人生はそれを素直に描写するだけでドラマになるという典型な感じ。ドラマチックなので面白くさっと読めるんだけど、ちょっと文章がしつこい、というか親切な気遣いとうか、それが少々気になった。タイトルも思わせぶりだし、そのタイトルに合わせるような締めくくりもちょっととってつけたように感じてしまった。タイトルに正直にいくならもっと哲学的になってもらえば分かりやすいがそうでもない。どうせその世界では有名な人なんだから半端に思わせぶりにせずにスカッと半生を潔く物語るというので充分面白いように感じた。その方がガンについて別の角度から雄弁になれるようにも思う。泣ける場面多々で最後まで読める本だと思うけど、持っている人がいたら借りるというのでいいかなって感じ。
by kienlen | 2010-07-11 00:27 | 読み物類 | Comments(0)

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