小学校と中学校とどっちがいいのか

午前中はタイの子の日本語指導へ。中学3年というのは私にとってはやりやすい。その子のキャラクター、相性もあるけど、こういう仕事でここまでストレスがないのは珍しい。楽観的で適度にひょうきんで呑気で素直で楽しく授業ができて、宿題をちゃんとやってくる。そして何といってもいいのは、このくらいの年齢になると理屈が通じることである。タイ語で文法解説したテキストを使えるのがありがたい。小学生ではこうはいかない。その代わりに理屈なしでじきに覚えるんだけど。どうも理屈に偏りがちになる自分としては、単なる乏しい自分の経験から、小学校で移動するよりも中学以上の方がいい、なんて感じていることもあって、ちょうどこの間ずいぶんとフィリピンの子達を見てきているベテランのフィリピン人に会ったので「中学で来た方がいいですよね。小学校は大変じゃないですか」と言ってみた。

すると彼女は「そんなことない。中学は困る。中学で来るのは親がいけない。小学校だったらすぐに日本語覚えるのに中学だとそうじゃないから落ちこぼれる」と自信をもって断言するのだった。お互い単に経験による印象論に違いない。だからここで小学だ中学だと言い張ってもしょうがないし、どういう点をもっていいとするかよくないとするかによっても判断は異なる。私は小学生で困難さを感じ、中学生で可能性を感じる例に触れ、彼女の場合はそれが逆ってことである。個人差、家庭環境、学校の支援態勢、友人とか先生、諸々が関係してくるので簡単に言えないんだろうが、一般的な能力と庶民の家庭環境でしかないのであれば、しっかりした母語の力があってこそ第二言語を効率的に習得できる。そういう気がしてならない。しかし言葉というのはつくずくと不思議なもんだな。現世ではそれを感じるところまでしか至らなかったから、来世にこういう分野を研究したいもんだ。飲み過ぎて忘れないようにしよう。
by kienlen | 2010-07-09 18:08 | 言葉 | Comments(0)

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