毎度毎度の母語維持発言

昨日は教育関係者の会議に出た。外国籍児童生徒の指導に関係する方々。私などはついでに呼ばれたようなもんだから番外地みたいな席に着くと、隣はブラジル人の友人だった。帰国直後からの付き合いだからもう10数年になるが、このところは偶然こういう会議なんかで顔を見かけるだけになっていて話す機会がない。会議中に積もる話をこそこそやるわけにもいかずに筆談していた。すると「母語も維持させるように指導したい」という発言が耳に入った。私達は顔を見合わせて「昔、そういうこと話したことあるよね」とひそひそ。そういえばこの友人は、子どもにポルトガル語の公文をやったり努力していたはずだし、母親が外国人だからウチのように父親が、というよりは一応有利に見える。ブラジルに連れて行ったこともあったはず。もしかしてバイリンガルになっているのかと尋ねると「ダメダメ」と即座に否定。良かった、自分の仮説が崩れなくて、なんて言っちゃあいけないが、小さい時ならともかく日本の田舎の超モノリン環境で高校生くらいになってバイリンになっていたら、そりゃあもう、特別に恵まれた環境+とんでもない努力の賜、あるいは特別な能力の持ち主だろうと私は思う。ある程度の年齢になってからの移住と、まあ英語は例外かもしれないが。

ウチは早々に諦めたから負け惜しみというわけじゃないけど、それに先の発言がよく考えた上での、現状の態勢を考えた上でのその人の考えであればぜひもっと意見を聞きたいところだけど、あるいは日本の教育が多言語推進に転換するのであれば事は異なるが、様子を見ていると結構安易に口にしているようで、毎度毎度こういう発言が必ず、しかもあっさりとある。言葉の指導に関わるのにこんな次元でいいんだろうか、とっても疑問。能力のある子にそれを伸ばす教育を施すのはありかもしれないので、そういうことを念頭に置いているならそれは現態勢とは別扱いの問題ではないだろうか。という疑問を持ち出せるような場でもなく、極めて形式的に時間は過ぎた。すごい世界だな、教育界の一部って。きれい事オンパレード。笑顔の能面つけて歩いているようなもんである。ほとほと関心して、メンバーのひとりだった友人の感想を聞いたら「いつもの会議よりは本音で話していたよ」と言われた。なんというか…大丈夫かなあニッポンは。
by kienlen | 2010-06-18 22:56 | その他雑感 | Comments(0)

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