瀬古利彦『マラソンの神髄-世界をつかんだ男の“走りの哲学”』

いい本だった。好感度高い。瀬古さんのファンになってしまいます。マラソンのことなど何も知らない自分がここままで読めるのであるからすごい。あ、自分がすごいんじゃなくて読ませてくれた側がすごいということ。平易ですっきりして気取らず謙虚でクセのない文章、自然な構成、記録性と実用面への配慮、品良くシンプルな装丁、挿入写真もいいし、帯もいいし、中身はもちろんだけど本として好感。まあつまり、内容があるから飾る必要がないという強みを前面に出しているわけだ。そりゃあ、それに勝るものはない。とはいえ、素材の良さを活かした料理を誰もができるわけじゃないし。

瀬古さんのファンだったり、マラソンに興味のある人にとってはきっと必読本なのかもしれないが、そうでなくても読んで損はない本のように感じた。ある程度生きていると感じる人生の機微というか、そういう普遍的なものは行間から充分に感じられるし、マラソンってどういうスポーツなのかということも想像できる気がする。最後の章がアフォリズム的な百箇条になっていて、これが素晴らしい。机の前の壁に貼り付けて毎日の教訓としたいものばかり。かといって、だらしない自分が否定されるような高見からの視線になっていないのがとってもいい。スポーツもの続いたから次は何か別のにしよ。
Commented by jun at 2010-06-06 05:17 x
百箇条の内、2,3を教えて下さい。立ち読みをしているようで恐縮ですが、私も壁に貼っておきたいです。
まさかkienlenさんが書いた本じゃないですよね。
来週は素材の良さを生かした料理を松本に食べに行こうかと思っています。また最近当市でもフランスの三ツ星にいたシェフの店が山に中に出来ました。どちらも最高の品質でも格安の所で有り難いですが、これでいいのかと心配にもなります。でも今の時代ですかね。
Commented by kienlen at 2010-06-06 13:53
「時計はみんなのタイムを公平に計る機械であって、自分の体調を測るものではない」「時計に頼らずペース感覚を磨くことによって、レースではずさない選手になれる」「マラソンでの成功に近道はない」「1度うまく走れても、それを2度、3度と続けられないと本物の力とはいえない。人間にはまぐれ当たりがある」「継続は力ななり、されど惰性の継続は退歩なり」等々、いろいろ納得しました。
by kienlen | 2010-06-05 22:36 | 読み物類 | Comments(2)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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