端布の思い出

なんとなく雑貨屋に寄った。買い物をしたいわけでもなく、ただなんとなく気分転換。するとワゴンが置いてあって「端布詰め放題一袋500円」というのがあった。カーテン地だった。袋のサイズがどのくらいかと思ってレジに行くとよくあるレジ袋の大きさ。ここに詰め放題で500円は安いなと思って買うことにした。布や毛糸を見ると買いたくなるクセ、というよりか、端布とか半端なものが好きなのだ。リボンとかレースもそう。安いことはもちろんだが、ちゃんと揃ってないものを工夫することに楽しみを覚えるから。しかし、それにしても、カーテン地はどういう使い道があるんだろうと思いながら詰めていると、どんどん入って、めぼしい柄は終わってしまった。だからといって袋の空間を空けたままで止めるのはもったいないという貧乏根性は、ビュッフェで食べ過ぎるのに似ているようで違う。

布を詰めながら、やっぱり変わらないんだなあと思った。子どもの頃から手芸が大好きだった。中学で初めて町場を通るようになった時に見つけた布屋は、壁際が長さの揃った布で真ん中の台は端布専用だった。そこでいつも端布を買っていた。家具に貼り付けてみたり小さいぬいぐるみを作ったり、パッチワークしたり。ああ、それからいつも漫画本を買うお金だけはもらっていて、お釣りの分か何かで欲しかった裁縫箱を買ってしまったことがあった。うんと小さいやつ。それを母からとがめられた記憶がある。その時に、ウチって貧乏なんだなと感じたように思う。とにかくカーテン地の端布を大量に買い込んだわけだ、今日は。作っている時間もないくせにな。年を取ると昔のことを懐かしむようになるというのは、結局体験なんてそうそう多彩なものではなくて、過去と重なり合う程度の事の繰り返しだからってことなのかもしれないな、と思った。やっと5月らしい爽やかさの中でそんなことを感じていた。
by kienlen | 2010-05-18 23:28 | その他雑感 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


by kienlen
カレンダー