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行き場のない話

タイ人の妻と日本人の夫という組み合わせは多いが、その逆は身近にあまりいない。タイ在住だと知り合いは多くなるけど、もう日本に来て長くなりタイとの関係の濃い生活をしているわけでもないと交際も途切れる。そんな中で貴重な友人から電話があった。用事が済むと雑談。夫の店のコックさんのビザの件がどうなったかと聞かれる。「行政書士に頼んでいるらしいよ」と私。ハローワークに行ったこととか入管の対応などを伝え「なんか、ニッポン大丈夫かな、と思うよね」と言うと「そーよ、そーよ、あの鳩山の目を見ていると腹立つわよ」と友人。「でも、石原を選んでいる東京都民もすごくない」と私が言うと「あれは単に選択肢がないからじゃないの、問題はそれよ、選択肢がないのよ」と都民の友人。「日本もだけどタイもねえ」と友人。「タイはもっとひどいんじゃない」と私。

友人とはタイ人の夫を持つという点では同じ境遇だが、他は何もかも違う。労働者と不労所得者、土着系と中国系、中央と地方、子供の有無、等々。そして友人はタイにしょっちゅう行っている。今月も行くらしい。デモ隊側にはひじょうに批判的である。玄関に血を塗られたりしているイケメン首相に同情的である。「でも地方の人達にはタクシンが人気あるよね」と私。「そうよ」と友人。「でもね、千バーツもらってデモに参加しているらしいよ。だったら夫も参加しようかなって言ってた」と友人。「だったら今月行く時にデモに参加して稼いでくればいいでしょ」と私。「何言ってんの。今回は今までと違って、テロみたいになっているから結構怖いのよ」と友人。交通が遮断されて出勤に支障をきたした知り合いの話が相次ぐ。かといってデモ隊以外は他人事という全体の様子。想像に難くない。政治の話というのは着地点がなくて苦手。本当のことが分からない。分からないなりに自分の考えを言うと、それぞれの置かれた立場によって見解がすごく違ってくることが分かる。インフラも社会保障も整わず都市と地方の格差がものすごいタイだと、もろにそれが出る。だから「やめよ、この話」ってことにしたのだが、遠い国のことじゃない点では同じなのだ。
by kienlen | 2010-05-04 09:29 | タイの事と料理 | Comments(0)

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