『裏返し文章講座-翻訳から考える日本語の品格』

抱腹絶倒本。こんなに痛快で愉快で笑えて、しかもためになる本ってあんまりなくないか。あ、こういう日本語はきっと品格なしに分類されるんだろうが、この際、品格もかなぐり捨てて笑いたい時にぴったりの本で、こういうのを好みそうな友人に触りを話すと「貸して」と言われて、いきなり複数人と約束してしまった。薄めの文庫本なのに1000円+税は安くないが、ちくま文庫、ここまでの内容だったら値段のことなどどうでもいい。本当に面白かった。著者は別宮貞徳先生。今まで知らなかった自分が無知だった。元上智大学の先生というから、上智の出身の友人に聞いてみたらいきなり「はっきり言う人じゃない?」と言う。はっきり言わないといけないところをぼかすのがコミュニケーション及び社会の問題であると思っている自分としては、このはっきりが良かったわけだが、この先生の名を出していきなりこの反応って、きっと相当なのだと推測できる。

カルチャーセンターでの講義を起こした、という構成。出だしは、品格流りなので日本語の品格も誰か書いてくれるかと待っていたら書かないから自分が話す、というもの。途中で(笑)が何度も挿入されているし、声を出して笑える日本語の本なので、きゃあ楽しそうな講義だな、私も聴きたいな、と思っていたら、最後に「本書は書き下ろし。カルチャーセンターは実在しません」とあった。隅から隅まで楽しい。翻訳世界という雑誌の連載をベースにしていて、つまりは、日本語になってない翻訳本を取り上げて批判しまくるという内容。『国富論』『不確実性の時代』『チャタレイ夫人の恋人』『嵐が丘』等、一応誰でも知っている読んでるのが次々に登場。引用箇所で大笑い、批評で大笑い、翻訳者からの反応に大笑い、それについての意見に大笑い。そして深く納得。タイトルに関しては「悪文を反面教師に使うわけね」という説明。そういう読み方も面白いとは思うけど、社会的評価を得ている翻訳本をここまできちんと批評する正義感には心打たれる。こうじゃなくちゃ、と思う。それとユーモア。最高な本だった。めっけもんだったな。どこで買ったんだっけ。別宮先生の別の本をすぐにでも読みたい。
Commented by eaglei at 2010-03-30 06:13
いつもだけど、いろいろな本を探してきますね。
ともかく、笑えるってことは大事ですね!
健康に良い~^^

僕も読みたくなってしまいます。
Commented by kienlen at 2010-03-30 07:26
eagleiさん、ご訪問ありがとうございます。いろいろな本を探してくるということは暇ということかもしれませんね。確かにこの本、どこで探したんだろって感じ。ここまで笑える本はジョーク集とか落語など以外では珍しいと思いました。お勧めですよ。
by kienlen | 2010-03-29 18:43 | 読み物類 | Comments(2)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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