戦場にかける橋

1957年制作の古い映画を昨日見に行った。アラビアのロレンス同様にアカデミー賞受賞作特集のひとつ。することがなく怠惰な時間を過ごしている息子も行かせた。一緒に行きたくないみたいだったから現地集合で離れた席で。さすがに古いから音声も良くないし字幕が極端に見にくい。日本語まで聞き取りにくいのはなんでだろうか。これは息子には理解できないかもな、と思っていたら携帯で内容を調べながら見たということで、なんというか、映画はしっかりその場で見て、調べたいことは後で、そもそも視点も違うんだし、という考えの自分にはもうついていけない若者行動である。これを見ることにした一番の理由は、やはり舞台がタイとビルマの国境で、若い命をなくした英国人、豪州人などの名前と年齢を刻んだ広いお墓を見た時の衝撃を忘れられないからである。20歳とか21歳とか、息子とそう違わない年齢の子達の墓が、この戦場にかかる橋のあるタイのカンチャナブリーにある。戦争博物館には行かずに戻ってしまった。

映画の内容は予想していたのとちょっと違っていた。戦争がテーマかと思っていたら、それはもちろんあるが、どっちかっていうと人間物語の面が強いという感じだった。皮肉なストーリーになっていて、後半は特にスリリング。でも何かしらの物足りなさは何だろうか。うまくできているけど、何か足りないっていう感じが残った。悲惨な最期なのにクワイ川マーチで威勢良く締めくくられた時に、物足りなさはこの執着のなさかな、などと思った。ずっと考えていたことは極寒で死ぬのと猛暑で死ぬのとどっちがマシかなあということだった。もちろん舞台は猛暑のジャングルである。寒いのは嫌いだが、猛暑の中よりは、極寒の方が静かに意識が薄れて静かに死ねるかもと、考えていた。アラビアのロレンスが砂漠が舞台で、猛暑続きだったのもその怖さに拍車をかけた。ここで新田次郎とか見たら考えは変わるかもしれない。地元のタイ人がもっと登場するんじゃないかと期待したがそうではなく、タイ語はほんの二言、三言だった。戦後から12年後、今から50年以上前の制作ではあるが、名作というのは色あせないものであるな。
by kienlen | 2010-03-09 14:07 | 映画類 | Comments(0)

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