村上春樹・柴田元幸『翻訳夜話』

ウチの本棚にあったような気がするなあ、でもよく分からないし買っちゃうか、と思ってつい最近に購入。初版が平成12年で、買ったのは平成20年の7刷だった。文春文庫。翻訳をやっているわけでなく、村上春樹のすごいファンというわけでもなく、翻訳小説をたくさん読んでいるというわけでもない自分が読むには結構苦しい本だった。もっとお軽い内容かと思って買ったのが間違いだった。でも村上春樹のファンだったら必読かもしれないという気はした。それと私が村上春樹をどうしてすごく積極的に読む気にならないのかの理由が少し分かったような気がした。自分が文学的でないからなんじゃないだろうか。文学的って何かはさておき、というかよく分からないが、この2人の著者だと柴田先生の方の言っていることの方が分かりやすく感じた。そしてこの人はあとがきで、中学校の時の職業適正検査が「この人はやりたいことは芸術的・創造的なことに大きく傾いているけれども、そうした方面の能力ははなはだ乏しく、むしろ能力的には実務的・事務的なことに向いている」という結果であって、大学で教えながら学外では翻訳をしているのは願望と能力が共存した仕事であると感謝している。

村上春樹氏の場合は、翻訳は自分のためと徹底していて、よくあちこちで触れているので私も名前だけは知っているがレイモンド・カーヴァーへの思いとかカポ-ティーとフィッツジェラルドへの思いとか、その徹底ぶりが文学者って感じがした。フィッツジェラルトは『華麗なるギャツビー』だけ読んだことがあるが、何が面白いのか入っていけなかった。分かってないからだ。解説書が必要なのかもしれないが、そこまでする気になれないし。カポ-ティーも『冷血』だけ。原文で読んだらどんななんだろうか。英会話の勉強をしようかという話は出ているが、それよりも原書講読は興味があるので提案してみようかな、という気になった。でも指導者がいないと読みこなせないだろうことは、こういう本を読んでいると分かる。ここまで言われると、本を読むことが怖くなるというか、きちんと知識のある優れた読者じゃないといけないんじゃないかとか、そんな気になってしまった。それが趣旨の本ではないんだろうけど、なんとなく。翻訳に関するセミナーをまとめた内容が主。間に2人がそれぞれ訳した短編が2編あって、雰囲気の違いを味わうのは楽しかった。おまけに原文付。最後のセミナーは若い翻訳者を交えて、両者の訳文の違いも解説しながらの話し合いになっていて、ここも、なるほと、と面白い部分はあったけどやはり若い人向けの本であり、間違えちゃったなと感じながら一応読んだ。
Commented by eaglei at 2010-03-07 19:55
最近、大阪の下町で、
タイ料理のお店を見つけました。
日本は島国だけど、
もっともっと世界と交流があって良いと思います。

日本でずっと暮らしたいと思える海外からの方々が、
たくさん増えると嬉しいのですが。

バンコクの住んでいる日本人って、いっぱいいるそうですね。
Commented by kienlen at 2010-03-07 21:05
eagleiさん、バンコクにはエリアによっては、歩けば日本人に当たるってくらいに大勢住んでます。日本に住んでるタイ人とタイに住んでる日本人、確か似たような数だったと思いました。それにバンコクは日本料理店だらけで、友だちに会っても和食の店に連れて行かれるのがつまらないです。そろそろまた行きたいなって思ってます。
by kienlen | 2010-03-06 09:37 | 読み物類 | Comments(2)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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