アラビアのロレンス(完全版)

よく行く古い映画館の名画特集が今回はアカデミー賞受賞作。その第一弾として「アラビアのロレンス」上映だったので昨日見に行った。肝心な事に手がつかず周辺をうろうろするばかりで、実はとうてい映画を見たいというような気分ではなかったが、この作品はぜひ見ておきたいという義務感みたなものがあった。レンタルビデオかDVDかで見たことはあったけど、パソコン画面で集中できるような映像でも内容でもなかったように記憶している。見たい気分じゃないのに加えて227分という長さ。お昼を挟んで午前と午後にまたがるのだ。時間の無駄にも思える。それでも見に行った。ここまで意識が分散していると何かしたからって焦点が結べるわけじゃないことは分かっているので、気分転換という期待もない。お昼用のパンを買って映画館に入った時には予告が始まっていた。やはり集中力に欠けていることが分かる。お話に入っていけない。少し眠くなったが、ここで寝たらもったいないと思ってこらえた。それにそもそも眠くなるような内容ではないし、前半はゆっくり目のテンポで砂漠の景色を堪能できる。後半は、戦闘シーンは目をそむけたくなる自分であることを忘れて見入るくらいの魅力だった。

時は1914年。ドイツと結んだトルコの圧制下にあったアラビアに、英国軍がロレンスを派遣するところからの始まり。士気低く武器もなく、国家意識はなく部族意識の塊のアラブ人達をどう目覚めさせ、どう戦わせるかというあたりがひとつの見物。国家の出来方のひとつの例として大変興味深い。ロレンスが決死の覚悟で作戦を遂行しているのと対照的に英国軍の上層部は娯楽に興じている。制作は1962年ということだが、軍隊の本質とか戦争の本質とか、国って何かとか、自然環境と人の暮らしをどう考えるかとか、アイデンティティとか権力欲とか闘争心とか、とにかく諸々の核心を感じることができて、こういうことに時代はどこまで関係できるのかという疑問の方が膨らんだ。これだけの自然破壊と技術革新で人の有り様も決定的部分で変わっているんだろうか、そうじゃないのか。そんなことをずっと考えていた。まあ、素晴らしい映画であると思った。自分の今の状況じゃなければもっと楽しめたように思う。
by kienlen | 2010-03-04 08:52 | 映画類 | Comments(0)

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