『中島岳志的※アジア対談』

あんまり読書時間がとれない。まとまった時間がとれない時にはこういう本。毎日新聞に連載したものということだから短い対談がずらずらと並んでいる。ずらずらというのは間違い。ちゃんと「格差」「保守と右翼化の論理」「内政から遡行へ」「地方・地域そして根拠地」などとテーマごとに並んでいる。まあしかし、よって昨日までのを忘れても本日新たな気分で続けられる。忘れっぽい人にもぴったり。聞き手は中島岳志なのが買った理由の第一。相手としては佐藤優、天宮処凛、魚住昭、武田徹、森達也など、自分の読書傾向図を書いたら入りそうな人達が登場し、藤原和博、寺脇研などの、どういう点に焦点がいくのかな、と思われる人達も登場する。全部で30人。寝る前に3人で10日。そのくらいの時間がかかっちゃったかなという感じ。アジア的というのがきっとミソなんでしょう。後書きを見るとまとめたのは、面白かった『新左翼とロスジェネ』の作者の鈴木さんのようだ。毎日新聞を取っていれば買うまでもなかったのに、1800円+税だった。もうダメ、節約して在庫でもたせることにしよう。図書館使おう。ああ、どうもこのところ思考はこっちの方向に流れる。つまらない。

保守の立場から聞くというスタイルである。保守の立場は折りに触れて説明されるが、佐藤優とのプロローグでは「極端な不平等が生まれることによって秩序が揺らぎ、社会が不安になることを保守は望みません。---自由と平等のバランスを考えることが重要だと思います」と述べている。私も保守ということになるのかな。もっとも秩序というのが何かに入ると細々した話になりそうだ。というわけで、なのかどうか、西部邁との章はもろに「保守とは何かを考える」というタイトルになっている。とっても分かりやすい構成になっている。そしてそこではやっぱり「保守の問題は、何を保ち守るかなんです」という、ああ、知りたいそこそこという部分がひじょうに優しい語り口で説明されていく。核心を語れる人はすばらしい、みんな大好きになってしまうような内容で、そこらへんが中島的というタイトルの所以かもしれないなと思った。難しくないけど読み応えがあって時代に合った感じもあるし面白かった。気分を明るめに調整できるのもありがたい。
by kienlen | 2010-02-12 10:41 | 読み物類 | Comments(0)

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