ルーズな構造という概念

注文してあった『タイ事典』という本が届いた。発行部数の少ないものはそれなりの値段。で、私が欲しいのってそういうのが多いから、それなりのことになる。でも嬉しくてパラパラとめくっていたら、たまたま「ルースなこうぞう」という項目が目に入った。これはタイ社会を表す概念として有名なものだが、その後はいろいろ批判もでたらしい、ということは知っているが、厳密にどういう批判であって、結局定説がどこにおさまっているかまでは知らない。私自身はこの論文を読んだ時に結構納得できたので、そのようなことをどこかの先生に雑談で話したら、嫌な顔されたから、そうかあ、とっくに通じなくなっている説を持ち出してはいけないのだろうか、と、学問の世界にいない自分としては引っ込んでしまったことがあって、何か気になっていた。そんなわけで目について、何が書いてあるんだろうと読んでみた。

すると、最後に「その後多くの論争があったが、この概念はタイ社会の社会文化の特徴を的確に示したと言える」とあった。つまりこの事典ではそういうとらえ方が示されてるわけだ。何か嬉しいというか、そう思ってもいいんだな、という安心感。夫から村の様子など聞いても、日本のような村社会とどうも違うなあという感じはあるし、ルースという概念はすごく当っているように思うのだ。で、それだけだと、どってことないのだが、この説を発表したエンブリーという人がなぜこの論文を発表したかというと、実は日本の村を調査していて論文を書いたことがあって、その後にタイのアメリカ大使館に赴任して、タイの個人主義が日本の集団主義とあまりに違うことにショックを受けてこの論文になったとあって、それだったらなおのこと面白いなあと感じた。で、エンブリー自身がルースさについて「将来予測を困難にし、社会統合を困難にするなどのマイナス面もあるが、変化する現状にすばやく対応するプラス面もある」としたそうだ。なるほど、現在のような変革期に何がどうなるかって意味ではひじょうに参考になると、ひとりでこっそり悦にいっている。
Commented by eaglei at 2009-10-30 23:41
あっ~、この本ですか。
記事をありがとうございます。

本を愛するkienlenさんの気持ちを知るだけで、
なんか幸せな気持ちになれます~。
Commented by kienlen at 2009-10-31 00:40
違いますよ~~。まだ秘密です…。
by kienlen | 2009-10-30 19:57 | タイの事と料理 | Comments(2)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


by kienlen
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