堀内都喜子『フィンランド豊かさのメソッド』

もう1年近く前に買った本。確か少し読み始めてそのままになっていた。昨日はグループで登山をした後、一緒に参加した友人とお茶のつもりがビールを飲んでしまい、お風呂だけ入って7時過ぎ頃に寝た。途中、電話で起きたり、さすがに早すぎて熟睡というわけにもいかず、この本を読んだ。睡眠の合間合間に読むには適当な本だった。子どもの学力調査で世界1位、国際競争力ランキング4位というフィンランドってどんな教育制度で、どんな国?という意味合いが、帯の惹句になっている。「貧困化する日本と対極」「格差なき成長の秘密とは?」という文句もある。著者は、日本での社会人生活を経てフィンランドの大学で学びながら5年間過ごし、日本に戻った後もフィンランド系の会社で働いているという方。基本になっている思想や歴史、特に人口規模などすべてが違う外国の制度のある部分を取ってきて日本と比べることには興味を感じないので、読む価値があるとすれば体験談か、あるいは別の観点からの専門的な内容のものの、どちらかと思っている。今回のは前者。読みやすさを考慮したせいかとは思うけど、文章そのものの荒っぽさが気になって、それで買ってすぐに読み通せなかった。

その点を置いておくと、フィンランドという国について全く知らない者が、へえ、と思うことばかりで面白かった。で、私はどっちかっていうとフィンランド、好きかも、と思った。このように外国との比較の書で面白いと思うのは、著者が異文化のどこに興味を感じ、自文化をどのように位置づけているかが想像できることで、読みながらずっと思っていたのは「なんだか、若いのに随分と従来型の日本像なんだなあ、本当かなあ、わざとステレオタイプに日本を描いてないかなあ」ということだった。ここにひっかかり過ぎると先に進めないからご愛嬌と思うことにした。それに、私が日本を知らなさ過ぎなのである、ということは日々感じているから、自分を引っ込めることで手を打つことにする。やはりこういうものはきちんと日本的な文化に浸り身に付けた人が、コスモポリタンというと聞こえはいいがディアスポラにならないうちに記録しておかないとダメなんである。というわけでお行儀の良い体験談で、親が読んでも安心安全、危な気なし。フィンランド入門の教科書にいいと思った。それにしても、ちょうど環境問題について活動している人と話していたばかりで、彼が「人口が小さい国は制度設計しやすい」と言っていたが、この本を読んでも、その通りだよなあ、と思った。ひとりひとりの「人材」としての重さが違う。インドに行った時は逆の意味で同じことを思ったし。
Commented by eaglei at 2009-10-13 22:10
海外と日本の社会構造の違いについて書かれた本って、
最近やたらに多いですね。
僕は今、イギリスの豊かさについて書かれた本を読んでます。

フィンランドに関しては、
身近に知り合いの人がいて意見交換しています。

本「青い光が見えたから」は、とってもオススメですよ~!

Commented by kienlen at 2009-10-14 08:28
eagleiさん、おはようございます。本の紹介ありがとうございます。チェックしてみますね。いろいろな国の社会構造まで紹介されるようになるのはとってもいいことだと思います。島国の感覚って独特ですもんね。
by kienlen | 2009-10-12 09:05 | 読み物類 | Comments(2)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


by kienlen
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