チェンマイが舞台の映画「プール」

タイが舞台なので、見ないわけにもいくまい、という気持ちで行った。かもめ食堂の雰囲気らしいとなると、なんとなく想像できるのと、期待感を抱くこともない。しかも癒し系はほとんど興味がない。となると、がっかりする理由もないということになる。が、それなのに…ちょっとこれはなあ。かなり退屈してしまった。役者がみんな良かったのと小林聡美の歌が良かった。他は、何がいいのかちょっと分らなかった。かもめ食堂もプロモーションビデオみたいと思ったが、プールに比べたらまだストーリー展開があったように記憶している。無口で伝わるものはそりゃああるけど、沈黙の深みを感じなかったな。まあ、親との関係に悩むような若い人が見るとそれなりに感動するのかもしれないが。しかしターゲットのひとつの山は私の年代だろう。つまり小林聡美の演じるお母さん。娘を置いてチェンマイで暮らしているという設定。この人でもっていたような感じだった。長年住んでいるという設定にふさわしいタイ語を話していたし。昔のフォークソングを彷彿とさせる歌が、歌詞共々良かった。

私より先に見た友人はそこそこ面白かったようだ。「タイの家ってみんなプールがあるの?」と聞かれた。家じゃなくてゲストハウスだが、お客さんはひとりも登場しなかった。この日本人たちは一体何のビザで滞在しているんだろうというのが一番気になった点。これに対する答えどころかヒントもなかった。昨日、カメラマンの友人と大量の料理本を前に、ああだこうだと写真の評価をしあっていた時「これ、タイの光じゃないなあ」と友人が言った。日本料理の光とタイ料理の光は違うだろうというわけだ。なるほどなと思って、その事を考えながら見ていたら、これは私の知っているタイの光じゃないな、と感じて、ちょっと自分なりの答えを見つけた気分になった。そうそう役者以外に、面白いと感じた点があったとすれば、自分の年代以降の映画だなって感じ。政治の季節はほとんど終わって、経済発展の中で薄れていく生活臭。そのホワホワした息苦しさを捨ててタイに行く。そうだとしたら私もそうだったんだけど、えっ、それが映画になっちゃうわけね、と感じた映画だった。あと百歩くらいの突っ込みが欲しかった。ま、突っ込んだら癒し系どころか不安系。でもこの程度で癒されることの方が不安って感じもあり。
by kienlen | 2009-09-18 20:15 | 映画類 | Comments(0)

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