火天の城

公開前に見た映画。うんと若い頃、勤務先から試写会の券をたまにもらって行った時以来の試写会だった。そんな機会でなければ、まず絶対に見ないタイプの映画だろうと思う。原作が話題作だったのだということも、今になって知ったばかり。織田信長が天下統一を視野に、天を衝くような壮大な城を造らせる。すなわち安土城。棟梁に選ばれたのが天才宮大工。この方が選ばれるまでの経緯も見所なのだと思うが、棟梁の職人気質と弟子達の建築現場シーンという男の世界が中心になっていて、棟梁の妻と娘が対比的に一方に配されている。男の世界における女の役割というのが、どうにもステレオタイプであるような感じが否めず、私はどうも苦手なのだが、これはこれでいい人にはいいのだろう。そういえば、映画業界にいたこともある友人から『たそがれ清兵衛』を強く勧められたことがあったが、あのポスターを見ただけで、理屈じゃない嫌悪感を抱いてしまって、実際に見たら感動するのかもしれない、と思いつつまだ見てない。それを思い出した。ここらへんの感性というのは、ちょっとどうしようもないものがある。

その後、監督さんの話を聞く機会もあった。テーマは人間ドラマだということだった。その言い方が似合う、優しそうな方だった。戦国時代を舞台にしながら戦のシーンがないのは珍しいそうだ。破壊ではなくて建設的な物語にしたかったというのも、なるほどその通り。聞かないと感じ取れないというどうしようもない自分。時代劇というのは疎いなんてもんじゃない。ほとんど見たことないし。結局この映画がどうだったかというと、感動的ではあった。ちょうど選挙前に見たので、国家とは個人とは、国を治める人の矜持とは、みたいな方面につい目がいってしまって、その意味では面白かった。それと、素晴らしいヒノキの森は見ごたえあり。勧めるとしたら建築関係、森林関係の方かなあ。どうも自分の周囲では思い当たる人がいない。9月12日から全国公開だそうだ。
Commented by jun at 2009-09-04 22:30 x
こういう夢のある公共事業なら、寝食を忘れてのめり込んでもいいかな、と一瞬思いました。税負担も含めて。予告のパンフを見ただけですが。監督もいる試写会なんてなんと贅沢な。信長の側近になったような。安土城の細密画だけでも魅力を感じてしまった。でも、おっしゃるように女性が人質か添え物的な設定には違和感を覚えます。また、意外に普通の人が興味を持つかも。
でもこういうのが流行らないのが自民党の敗因か。
「矜持」というのも言葉も麻生さんが使っていたし。
Commented by kienlen at 2009-09-04 23:20
はい、贅沢ではありますが当然交換条件付きなんで。そう言われるといい映画だったなあという気が、今になって沸々としてきました。そうだ良かったです。見てみて下さい。
by kienlen | 2009-09-02 22:42 | 映画類 | Comments(2)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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