『商人道ノススメ』

ガソリン消費のためのような日々。本日も中距離運転なり。いったん涼しくなったが今日は暑くて汗ばんでいた。この間まで夢中になっていたのが松尾匡先生という方の『商人道ノススメ』だった。本屋で偶然見つけて手に取って「た、、高い」と思いつつ買った2400円+税金。藤原書店刊だから納得ではあるが。読後に不満はありません。力作、面白かった。やはり本の価値というのは失われるものではないと思う。ちょっと前だったらこのタイトルで手に取ることもなかったと思うが、このところ商人のすごさについて考えていたところだったから、そういう気持ちにフィットしたわけだった。著者の主張というのをガサッとまとめると、こういうことのようだ。武士道がブームのようになっているが、これは目下の問題解決にならない→なぜならば、武士道は典型的な「身内集団原理」に基いているから→今のような経済社会システム下にあっては「開放個人主義原理」こそが必要なのであって身内集団原理ではない→その開放個人主義原理は商人道にある!

松尾先生の専門は理論経済学だそうだ。でもこの本はいろんな分野に果敢に挑戦していてとっても楽しいし、私はこの主張にはウンウンの連続で拍手したくなった。とにかくさまざまな現象に両者の原理、倫理を対比させながら適用していくあたりは理論の専門家っぽい。まずは身内集団原理と開放個人主義原理の説明をしてから、江戸の商人道の説明に入る。これって知らなかった。歴史でも教わった記憶ない。ああ、これは単に私の勉強不足かなと思い始めて、どうやら違うらしいことも感じる。江戸の商人道が、明治期の近代化推進のために武士道に押されて省みられなくなったことが、その後の戦争を含む問題の要因であるとのことだから、その余波は教科書にも及んでいるのかもしれない。ここで紙幅を割いているのは「近江商人」に関してで、その商人道の源流としての浄土真宗がプロテスタントの原理と似ていて、それが資本主義の発達の重要な要素になっているのだそうだ。小林よ〇〇〇氏への批判も、この原理でスパッとやっていて面白かった。最後は「反撃せよ商人道」というタイトルでちょっと冷静さを欠いたアジテーションスタイルになっているのも、それはそれで熱意があって好印象だった。全然知らない分野なので、商人道に詳しい人に読んでもらって感想を聞いてみたいもんだと思った。
Commented by jun at 2009-08-28 17:45 x
「近江商人」は日本の誇る言わば「ビジネスモデル」なのでしょうね。私は詳しくはありませんが、直江兼続とも繋がっているとか、お客さんにも教わりました。
ウェーバーの通称「プロ倫」の日本版として、山本七平の「日本資本主義の精神」が30年程前に出た時、読書会で悪戦苦闘したのを思い出します。
今また、武士道を超えた商人道に学ぶことに大いに意義があると思いますので、店の経営改善の為に私も遅ればせながら学びます。
儲かったら一杯奢ります。
Commented by kienlen at 2009-08-28 22:26
自立した誠実心。わけへだてない公正。ウィン・ウィンの信頼。以上3点が商人道の心得だそうです。儲かったら一杯ではなくて十杯奢るのも商人道の脇道です。以上はドサクサに紛れて。プロ倫との対比はもちろんありましたよ。
by kienlen | 2009-08-27 20:06 | 読み物類 | Comments(2)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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